三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート」2009年3月1日放送

地元の食材を使った素朴なお料理と、住民お客さん一丸となったイベントで地域をゲンキに!

松阪市の市街地から車で山を越え30分ほどの場所に位置する『うきさと地区』。
人口300人ほどの小さな山里で、現在の地名は『柚原町』となっています。
過疎高齢化が進むこの地で、立ち上がったゲンキさんがいます。

『お休み処うきさとむら』の西井玉枝さん。

活動のきっかけは地域住民の足である路線バスが廃止されるという話が持ち上がったことから。
「過疎化が進んで・・・25年くらい前に、何とか自分が愛する村を潰したくないと、みんなで立ちあがったんです」

そこで、地域の人たちとともに地元の農産物を販売する朝市を開催したところ、バスを利用しての訪問者が急増!
路線バス廃止を免れることに成功しました。

そして、さらなる地域活性化を目指して平成9年にオープンしたのが、『お休み処 うきさとむら』


地元のお母さんたちで結成された『ささゆり会』がお店を切り盛りしています。
地元食材を使ったオリジナルのお料理が自慢です。

『細雪(ささめ)うどん』。
鮮やかな緑の正体は「モロヘイヤ」。
松阪はなんと、全国2位の生産地なんです。
栄養価が高いモロヘイヤを使い、試行錯誤して完成したうどんは、ツルンとした歯応えが特徴。

『薬草の天ぷら』は、地元の山で摘んだ季節ごとの野趣あふれる味を楽しむことができます。
こんにゃくなど他のメニューも地元産の食材を使ったものばかり。
まさに「地産地消」です。

さらに、何といっても嬉しいのは、お母さんたちの素材やふるさとへの気持ち。

ヨモギ団子も、ひとつひとつが手作業です。
作業は毎日朝早くから行われており、なかなか大変な作業・・・。
けれど「働く自分たちが明るく楽しく!」がモットーのとおり、お母さんたちは笑顔です。

このエレベーターは『うきさとむら』を訪れるリピーターの方々が、お母さんたちのために作ってくれたのだそう!
『ささゆり会』の活動は、この地域を愛するお客さんたちにも支えられているのです。

夏祭りや七草粥まつりなどのイベントも、リピーターの方たちが実行委員会を立ち上げて、全面的にサポート。
たくさんの人たちが訪れ、大いに盛り上がるのだそうです。
こうして、地域に住んでいる人だけでなく、この地域を愛するさまざまな人たちとともに、活性化を推し進めています。

そして地域が活性化された結果・・・『うきさとむら』のゲンキは、地域をも飛び出しました!

平成16年、なんと『うきさとむら』2号店をオープン!
場所は『松阪農業公園ベルファーム』。
およそ29haの敷地を有する農業公園で、イングリッシュガーデンや地元の農産物などを取り扱う、人気スポットです。

店内には『うきさと地区』四季折々の写真や、観光名所の案内が。
『うきさとむら』2号店は、うきさと地区と他の地域の人たちをつなぐ、「架け橋」の役目を担っているのです。

松阪店のスタッフはこう話します。
「『うきさとむら』の名前は知っていても場所を知らない・・・または遠いと思っている方に、ここで地図をお渡しして、実はそんなに遠くないんですよと伝えるんです。
そうするとお客様も実際に足を運んでくださるので、って、良さを知ってもらえるんです」

地域振興のためにその地域でがんばるのはもちろんですが、あえて活動拠点を外へと広げ、都市部や他の地域の方々との交流を通じてふるさとの振興を考える・・・新しい地域おこしの形ですね。

都市部への出店によって、若い後継者たちもあらわれ、更なる飛躍が期待されています!