第89回『サルシカ隊長レポート』2014年8月

サルシカ隊の隊長オクダと写真師マツバラのコンビは、今回津市白山から美杉町へ、名松線に沿って旅をすることに。
今回もいつもと同じく計画性ゼロ、確たるテーマも目的もない珍道中(笑)

tr88-1


津市美杉町へ向かっていた。
前回、途中の白山町で、8年来の謎であった「こぶ湯」を探訪すべく思わず寄り道をしてしまって、なんと美杉に入るまえに「つづく」となってしまった。
この計画性のなさ。
まさにワタクシの人生そのもの。
まったくもって申し訳ないのだ、わははははは。

で、今回、美杉へと入った。
が、目的の奥津へ到着する前に、今度は写真師マツバラが、「隊長、ちょっと寄ってっていいん?」と、いかにもオカマっぽくワタクシを誘うのであった。
こぶ湯に立ち寄りたいとワタクシが言った時には、天気が崩れるから、とさんざん渋ったくせに、今度は自分から寄り道をしようというのだ。

「ちょっとね、なかなかのシチュエーションのとこあるの? 隊長みたくなーい?」

なんか誘い方がいやらしいのだ。
ちょいとお兄さん、明るいところでちょっと覗いてみなーい、みたいな感じではないか。
もう!
まったくもって困ったことだ。
ま、仕方ないから少しだけ覗いていくことしようではないか(笑)。

tr88-4

数軒の集落があり、その上にひっそりと駅がある。
そこは名松線の比津(ひつ)駅であった。

さて、その名松線であるが、ウィキペディアによると・・・

雲出川の渓流沿いを走るローカル線で、名張と松阪を結ぶ計画であったことから、両都市の頭文字をとって名松線と名付けられた。
現在、終点の伊勢奥津駅から名張駅前行きの三重交通の路線バスが運行されているが、早朝の1便のみであるため松阪から名張への移動に名松線を利用することは困難である。
営業収入は約4000万円、営業費用(維持管理費)は約8億円となっている。
なお、名張 – 松坂間は、近鉄大阪線および山田線によりほぼ直線的に結ばれている。
赤字83線として廃止勧告対象となり、特定地方交通線第2次廃止対象線区にも選ばれていたが、岩泉線とともに代替道路未整備を理由に廃止対象から除外された。
現在は伊勢八知まで三重県道15号久居美杉線の道路整備が済んでおり、伊勢八知 – 伊勢奥津間も未改良ながら津市コミュニティバスが運行されている。
2009年10月8日の台風18号の被害により、家城駅 – 伊勢奥津駅間がバスによる代行運転となっている。

tr88-3


比津駅は、家城駅の先にあり、現在運行はとまっている。
つまりどれだけホームで待っていても列車はこないのである。

草むした線路は物悲しい。
照りつける陽射しすらも幻影のようである。

tr88-2

tr88-5

写真は山の方へと登り、遠景からワタクシを撮影していた。
撮影を終えてもなかなか戻ってこないので、ワタクシが汗をかきかき坂を登ると、その様子を笑いながら撮影しているのだ。

「まったくもう! なぜ無意味にワタクシを歩かせるのだ、ひいひいはあはあ」
「あのね、ここからの風景が好きでね」
「ひいひいはあはあ」
「写真集の『村の記憶』にもここで撮った写真を収めたから見て欲しくてね」
「ひいひいはあはあ」

tr88-6

この日、ワタクシは「村の記憶」の中にいたのだ。
感動を覚えたが、あまりに息があがって言葉にできなかった。

で、驚いたことに今回はここで終わりで次回につづく(笑)


写真/松原 豊