FM三重『ウィークエンドカフェ』2014年12月27日放送

三岐鉄道の黄色電車が町を走り、春は猪名部神社で流鏑馬、上げ馬神事などの『大社祭』が行われる東員町。
東員町観光協会が誕生したのは、いまからおよそ9年前。
東員町を心から愛する人たちで作られました。。
先代の会長から「後を頼むよ」と4年前に会長のバトンを渡されたのが、現在の東員町観光協会会長の太田文宏さん。

太田さんは、「こんなに住みやすい町はないよ」っておっしゃいます。都会に近く、自然あふれる東員のまち。
今日は太田さんに、東員町のいいところを教えていただきます。

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■3つの在来地区と新しい住宅地からなる町『東員町』

三和地区と稲部地区と神田地区があって、40年ほど前に団地ができたんですね。
その団地地区と在来地区は人口も同じくらい。
在来地区では、地区ごとに祭礼をやっているところもありますし、獅子舞で地区を守ってもらうこともあります。
夏になると山車を引いて祭りを行うところも7〜8箇所ありますね。
まだまだ田舎の行事が残っているんです。


東員町中部公園ポニー広場

■『東員町観光協会』発足のきっかけ

『猪名部神社』の隣の地区に『多度神社』がありますが、そこの祭りがとても盛大なんですね。
そこまではいかなくても、『猪名部神社』のお祭りである『大社祭』にも、もう少しお客さんが来てくれて、東員町の良さを知ってほしい・・・。
そんな話が『猪名部神社』の宮司さんからあり、観光協会を作って宣伝などをしたらどうだろうかと。
そこで、有志というか民間でやれるところをしようと『東員町観光協会』を発足しました。
しかし『東員町』自体になってからは、まだ日が浅い。
昔から良いものはあるのですが、なかなかうまくPRできずに難しい部分があります。
ところが最近『イオン東員』がオープンしたので、それを目当てに来るお客さんもいるでしょうし、インターネットでも東員町の魅力を発信していく計画をしています。
正直、東員町は特産物があまりなく、見どころもたくさんある、とは言えません。
地道に東員町の良さを伝えていく必要があるため、東員町観光協会では、様々な取り組みをしています。
まず、東員の名産品を作ろうと、黒ゴマを使ったお菓子を商品開発しました。
周りの評判もよく、中部公園の売店や東員町で行われるイベントなどで販売されています。
とってもおいしいんですよ。


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■来年4月の『大社祭』に向け、すでに始まりつつある準備

4月の第1土日に猪名部神社で開催される『大社祭』は、800年も続いている神事です。
そこでまずは『大社祭』を中心に、観光協会も動いています。
そしてもちろん、『大社祭』の準備も、今の季節からすでに始まっています。

『大社祭』の神事一つ、『上げ馬神事』の騎手は15歳か16歳の青年で、4つの地域から1人ずつ選ばれます。
『大社祭』は1年に一回のお祭りなので、僕らの若い時は餅をついて、遠いところに住んでいる身内に持って行って、祭りに来てもらうよう接待していました。
さすがに今はそういうことはしませんが、それでも一大イベントには変わりありません。
自分のとこの子どもが騎手を務めることになったら、親族上げての祝い事ですよ。

しきたりとして、青年団が1月1日、馬の持ち主である『馬主』に「今年もお願いします」と挨拶に向かいます。
そのため、12月から馬の準備も始めるので、馬主の方も大変です。
『上げ馬神事』の練習は2月の末から。
練習馬場の周りも逃げないように竹で囲いますので、冬の間に切っておかなければなりません。
本数にして、約300本。
お正月前から、係の方はその準備にとりかかっています。
祭りの準備は大変ですよ。


コスモスまつり

■夏のマス釣り・秋のコスモス

中部公園の川にマスを放流し、それを子どもたちが手づかみで掴み取りするという夏の行事を、6〜7年前から観光協会で行っています。

川を堰き止めて、およそ2000尾を放流。
参加者は小学生限定で、だいたい毎年500人くらいが参加しています。
マスつかみのあとは、そのまま塩焼きにしたり、また持ち帰ったり。
みなさんに喜んでもらい、夏休み前の観光協会の行事の目玉となっています。
みなさんの楽しそうな顔をみると、こちらも楽しくなってきます。
毎年待っていてくれるので、これからも続けていきたいですね。
そして秋は、中部公園を挟んで町のほうでコスモスを植えてくれています。
これがおよそ40ha。
PRするために、以前は中をポニーを歩かせて人を乗せたりしていましたが、今は公園内に『ポニー広場』ができ、春と秋の時期に公園の中をポニーが歩いています、
コスモスまつりの時期にはを『のぼり』を立てたりするなどPRしているので、最近では少しずつ、コスモスの町として知られてきたのでは、と思います。

春と秋の時期には町外からバスで来る方、幼稚園の遠足など、公園を中心にして楽しんでもらっています。
インターネットで調べると、花も綺麗で公園もお金もかからない場所だとわかるのか、他地域からもたくさんのお客さんが来てくれるようになりました。
鈴鹿や伊勢、愛知や近江の方から来る人もいます。
僕ら、ポニーに乗ったお客さんにそれとなく聞いて、チェックしているんですよ(笑)
けっこう1時間半圏内からくる若い夫婦や家族連れが増えましたね。
滋賀県からもトンネルのお陰でけっこう来てくれるようになりました。


マスつかみ大会

■いなべ川にやなを作り、遊びのスポットに

僕が一番自慢したいのは、『いなべ川』。
これをなんとか活かして、みなさんに来てほしいですね。
今年は鮎の放流もしましたので、そこで梁をしたり、新鮮な鮎を食べたり・・・そんなことができないかな、と考えています。

東員町を訪れていなべ川で遊びたい場合、前もって言ってもらえれば、そういう場所も作ってあります。
年間を通して、マスの放流や鮎の放流体験などを学校などでも行っていますし。

中部公園でバーベキューはできますが、河原でしたいとの要望も多く聞きますので、そうできるようにしていきたいです。
すでにある観光資源を、有効活用したいですね。
いなべ川は二級河川の小さな川ながら、水も綺麗で危険もないので、僕らの子どもの時代は川で泳いだり魚を獲ったり、それこそ橋から飛び降りたりしたものです。
しかし現在は水質も変わっていますし、そういうことができなくなっています。
だからこそ、川遊びできる場所を作り、県外からのお客さんにも来て欲しいですね。
また、他の地域でも、やなを作って新鮮な鮎を食べられるようにするとお客さんが来るということなので、それも取り入れていきたいと思います。