FM三重『ウィークエンドカフェ』2015年4月11日放送

今回のお客様は『たむけん』こと田村賢治さん。
田村さんは、中伊勢温泉郷イベントアドバイザーや津市の『レッ津!ノルディック!』の事務局長を務めるなど、津市の活性化のために活躍しています。

職業は一般の社会人ですが、人に頼まれると頑張ってしまうタイプ。
いろんな活動を精力的に行っています。
中でも今、一番に取り組んでいることは、知的障がいを持つ方の施設や老人ホーム、保育所などを訪れること。
声楽家、ピアニストの人と一緒に童謡や唱歌を歌い、その曲に振付をしています。
訪れた先の人たちにしっかりと体を動かしてもらいたい、リフレッシュし、
音楽の情緒も味わってもらいたい。そんな想いで活動をされています。

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■活動をするきっかけ

これまではだいたい『けんちゃん』で通っていたんですが、5〜6年前から、いきなり『たむけん』になりました。
会う人、みんな『たむけん』(笑)
いいですよ〜(笑)
僕ほど自分の名前を有効活用している人はいないと思います。
お仕事の時に自己紹介の紙を置くんですけど、その紙しかお客さんが見ていないんです。
すごく楽しく自分が生活させてもらっています。
でも、「オモロイこと言え」みたいな感じでハードルが高いというか(笑)
出落ちになったり。
毎日、地域のことで楽しませていただいています。

(障がい者や老人の)施設の方に僕が主催しているよさこいチームに来てもらい、よさこいを教える、ということが活動の始まりでした。
ただ、よさこいは曲がちょっと難しかったり激しい踊りが多かったりするんですね。
どんな曲を選んだら良いかとCD店に行ったところ、童謡や唱歌などを見つけ、これだと思いました。
また、ゆるキャラの振り付けなどもしていたので、彼らを引っ張ってきて一緒に踊ったりもしましたよ。
簡単で効果のある運動をしつつ、時には激しく楽しく踊りながら、ストレッチにもなるようなフリを・・・自分なりにいろいろ計算しながら踊りを考えています。
そういう活動をしていると、徐々に方々から声をかけてもらう機会が増えてくるんですね。
自分が健康に暮らしているので、そういうところでお手伝いできたら・・・という気持ちがとても強いです。

こんな活動をしていると趣味はスポーツと思われがちですが、実は読書。
かなりインドア派なんです。
休日に外に出ようと思うと、よっぽど気持ちが整わないと出ないくらいです。
今も車に、本が5冊くらい乗ったままです。

そんなインドアな僕なので、よさこいを始めたのは、元の彼女に誘われて(笑)。
12年前、25歳の時に元彼女が「踊りがしたい」と、よさこいチームを見つけて入ったんですね。
で、元彼女が練習に行くので、なかなか会えなくなってしまったんですよ。
それでこれは共通の趣味を持たないと悪いな、と思い入会。
しかし別れた彼女はやめてしまって、僕だけまだ続けている(笑)
不思議なことですが、あれがすべてのスタートだったんですね。

そして最終的には振付や代表もすることになり、もうやめようと思いました。
その時に自分の中で「イヤだから、飽きたからやめる」というのが、ちょっとシャクだったので、理屈を付けたいと。
そこで津まつりの主催者に会いに行って、まつりのルーツなどを教えてもらったんです。
そこで学ぶことが多くありました。
津まつりは380年の歴史があるんですね。
未来につなげるということ、市民が主役になって踊れる、そして見ているほうも喜ぶ・・・その関係性が素晴らしいなと思い直しました。
ただ、自分としては障がい者の施設訪問に力を注ぎたかったので、チームの代表は引退させてもらいました。
今は、三重県の有志の合同のチームのプロデュースやお手伝いをしています。
このチームは先日は台湾に行きましたし、6月に北海道で行われる全国大会も目指しています。


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■よさこい団体のプロデュースを通じて学生に津のおもしろさを伝えたい!

僕がプロデュースしているよさこいは合同チームなので、学生や子どもも一緒に演技することが多いです。
よさこいをやっている学生は、しっかりしている子が多いです。
大人との接点も多いので、成長の度合いが良いでようです。
そういう意味で、学生でよさこいをやっている子は、社会に出た時に即戦力になることができるんですね。
そしてよさこいのプロデュースをしているうちに、津に魅力を感じて、津に恩返しがしたいと思うようになりました。

僕はこの街が大好きですが、まだ独身で子どももいません。
そこで、学生のみなさんにもこの街を好きになってもらい、大人になった時に、この街を語れるようになって欲しいと考えて、学生たちと関わっています。
その方法として、その辺で歩いている大学生を見つけたら、津の魅力を語るから一緒にごはんを食べようと誘ったり、津の芝居小屋『あけぼの座』に連れて行ってあげたりとか、そういうことをしています。
地道なことを繰り返していかないと、学生が社会人になった時に、この街に住んでくれないと思うんです。
サルシカ隊の奥田隊長も同じ精神だと思います。
最終的な目標は、この町に身を置く人を増やすということ。
それを僕は街中のほうでできたらな、と。
そのためには町について知ることが大切。
実は津って、おいしいお店がいつも空いていたりするんです(笑)
皮肉じゃなくて、とても住みやすいと思うんですよ。
映画館にしても、都会だったら車で行ったら駐車場代が映画代より高くついたりとかしますよね。
無料で車が停められて映画が観られる・・・こんな住みやすい街、ありますか?
けっこう外部の人はわかっているのに、地元の人がわかっていないことが多いので、常に街を客観的に見ていたいですね。
そのために行動も広げていったほうが見えやすいし・・・という考え方で、いろんなことをするのがライフワークとなっている感じです。
そうやって関わっていくうちに、いろいろな方にお世話になっているのをとても感じます。
自分の地域で恩返しできないかな・・・と、ここ4〜5年思っています。


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■ノルディックウォーキングで地域と人をつなぐ!

ノルディックウォーキングは『陸上の水泳』という呼び方が、一番わかりやすいと思います。
2本のポールは身体を支えるという意味の杖ではなく、ポールを後ろにグッと押し出すことで、推進力を得て歩くというイメージ。
普段使わない上半身を使ったウォーキングになりますし、なおかつ足腰の負担が軽減され、4本足で歩く理屈になります。
まさに『陸上の水泳』と呼ばれるにふさわしいスポーツなんですよ。
特に坂道や山道など、急勾配の道をこれで歩くと、かえって足が軽くなり、とても楽に歩くことができます。
もともとはフィンランド発祥のスポーツなんです。
クロスカントリーの夏用スポーツのために使われていたもので、グリップや先端を改良し、フィットネスとして受け入れやすいように、輸入されています。

一昨年、サルシカのイベントとしてノルディックウォーキングを開催したところ、80人もの参加者がありました。
そこから、中勢地域8旅館の連合『中伊勢温泉郷』にも声をかけてもらって、すでに7旅館制覇。
毎回80〜100人ほどが参加しています。
指導料とポールのレンタル料は無料、温泉と食事がついて2000円という激安料金。
みなさん、たくさんお土産を買われますので、旅館の方も潤い、みなさんの満足度もアップ、
ノルディックウォーキングの効能以外もとてもピックアップされるようになっています。
ポールを持って街を歩くことで、発見もあります。
我々も当日に向けての安全確認やロケハンなどもしっかりしているので、満足度の高いイベントとして続けていけば、街の再発見とともに参加者同士の交流にもつながるのではないでしょうか。
この2本ポールをきっかけに、お役に立てるものがとても広がってきたな、と感じます。
ノルディックウォーキングはスピードを競うものではなく、あくまでも個々のフィットネス。
またお年寄りだと、歩行補助やリハビリ的なものとしても捉えることができるので、幅広い年代に集まってもらえる、良いことずくめのイベントです。

距離としては6〜7kmくらいですが、これで歩くとすぐなんですよ。
80歳の方も遅れたりせず一緒に歩いたりとか。
また80代の方と20代の方が会話をしながら歩くシチュエーションってなかなかないと思うので、とても良いツールだと思います。
これをどんどん広めて行き、ゆくゆくは街で1人で歩いていても違和感のないよう、知名度を上げていきたいですね。


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■なぜこの街が好きなのかしっかりと伝えていきたい

高尚なことは言えないし、高尚なことをしているわけでもありませんが、僕はこの街が好きだから、なぜ好きなのかを説明したいんです。
この店おいしいだろ・・・とか、単純なことで良いんですけど。
お店に行くにしても、この店主の人柄ごと味わいたいとか、やっぱりそういうのが楽しみ方だと思います。
自分の街へのこだわりや自分なりのスタンスっていうのを築くために、より多くの物の考え方にふれあうことが大切ですよね。
たくさんの成功体験と失敗体験を聞くということを、僕ももっと若い頃にしておけば良かったなと思いますし、学生にしてあげたいな、と思います。
まあ学生の方の気持ちもあるので、強制ではなく寄り添いながら。
そういうこともよさこいをしていることで関わることができるので、縁のある学生たちには、少しでも話をしていきたいですね。
話すとやっぱり響いてくれるので、自分のしていることに意味がついてきたな・・・と、最近ようやく思います。
今だからこそ、そういうスタンスに行き着いたのかもしれませんね。
依頼をいただくことも最近多い中で、お断るすることが心苦しい時もあります。
しかし、これはと思うものはきちんと組み立てていって、みなさんの楽しみにつなげていければな、とはすごく思いますね。

僕は極端な話、朝起きたら、旅先だと思って津を楽しんでいます。
いつもハレの日ではありませんが、地味な日でもこの街を愛したいと思って、何気ない風景にも何かを気づく力を養っていきたいですね。

※ 田村賢治さんは、『レッ津!ノルディック』でノルディックウォーキングの公認インストラクターを務める他、津まつり企画検討委員会、津市観光協会会員(一般個人初)、障害者高齢者支援、中伊勢温泉郷アドバイザー、レク協会講師、ゴスペル、大門いこにこ広場理事、children会、映写技師、津駅前ストリート倶楽部、woodjob神去村青年団としても活躍中。
さらに、ゲンキ3ネットの特派員も務めています!


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