FM三重『ウィークエンドカフェ』2015年5月30日放送

今回は『道の駅 飯高駅』の駅長、田中正一さんがお客様です。
『道の駅 飯高駅』は松阪市飯高町宮前にあります。
ここは映画監督の小津安二郎が映画界に入る前、代用教員として働いていたところでもあります。
自然が豊かで趣きがある町。それが飯高町。
そこに三重県で一番最初の道の駅が作られました。

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  スタッフの女性といっしょに

■『道の駅 飯高駅』の歴史

今や全国にある『道の駅』は、平成5年に103施設が同時にオープンしました。
実はそれ以前に『飯高駅』はありまして、平成2年の7月に開業しています。
現在は1000を越える道の駅があるのですが、『駅』とつく道の駅は、ここと『茶倉駅』だけなんですね。
そのことから、地元では『飯高駅』が道の駅の発祥というか、発想の元になったのでは、と言われています。

今でこそ道の駅はどの街にもありますが、『飯高駅』ができた当時は、
「電車も走っていないのにどうして『駅』なんだ」
と、テレビや報道番組などから取材があり、それで人気が出たと聞いています。

ただ当時は『道の駅』という形態ではなく、地元産品を取り扱う『産直販売所』でした。
そして平成16年に温泉施設ができ、第2期開業のように。
これもまた、当時は三重県にまだ日帰り温泉施設が少なかったので、お客さんも多く見えました。
しかし、それ以降は温泉ブームが来て、あちこちに温泉施設ができたため、これから先『道の駅』として温泉施設として、続けていかなくてはと苦労した時もありました。

現在ではあちこちからお客さんが来てくれるようになりました。
関西圏や東海圏のナンバーの車が多いですね。
また奈良県が近いため、そちらからのお客さんが突出して多いです。
バイカーもたくさん寄られますよ。
奈良県に抜けるワインディングロードである166号線が良くなりましたので、そこを走られるんですね。

『道の駅 飯高駅』では年に2回、バイクウェアメーカーの大きなイベントも開催しています。
おかげさまで、年間来場者数が35万人にもなりました。
ありがたいですね。

 

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■250人もの農業生産者が支える特産品販売所!

特産品販売所で販売する野菜を作っている、農業生産者さんの登録者数は250〜60人。
この山間部で、少しでも良い物を出そうと頑張ってくれています。
それを目当てにお客さんが来てくれて、買ってもらうことで農業生産者さんが喜んで、さらにまた良い物が出てきたらお客さんが喜んで・・・それをずっと繰り返して、ここまで伸びて来たのだと思います。
また、お客さんと会話して喜ぶ生産者さんもいれば、そんな話を横で聞いて喜ぶ生産者さんもいて。
それが励みになって、次のステップへと進んでいるんですね。

特産品販売所『いいたかの店』には飯高で取れた新鮮な野菜をはじめ、古くから飯高に伝わるお菓子『でんがら』や『だらやき』なども販売されています。

この地域特産の農産物といえば、やはりお茶としいたけ。
この2つがずば抜けて良いですが、これ以外にもいろいろな野菜を出しています。
みなさんこれまでは、普通の野菜を出していましたが、ちょっと新しい作物にチャレンジしようと、いろいろ工夫しているのが最近の傾向ですね。

年々高齢化していく中、農業生産者のみなさんが、がんばってくれています。
しかしそれは『道の駅』という、人を呼ぶ施設があってのこと。
この施設がなくなっては大変ですし、そのために生産者のみなさんも頑張っていてくれているんです。

過疎の地域でありながら、たくさんの人が来てくれる『道の駅 飯高駅』。
ここを中心としていろんな他にもいろいろな観光施設がありますし、いろいろな活動をしている人もいます。
そういう人たちの魅力を発信していきたいですね。

実は『道の駅 飯高駅』は7月24日が創業記念日。
それにちなんで、毎年夏には創業祭という大きなイベントを開催しています。
今年は8月1日・2日。
盛大にしますので、期待していてください!

 

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■『道の駅 飯高駅』で楽しんだら、外の自然を楽しむのもオススメ!

『道の駅 飯高駅』での楽しみ方は盛りだくさん。
温泉利用されたら最低でも1時間かかりますし、そば打ち体験をしたらそれだけでもさらに1時間〜2時間。
それから食事をとったり買い物をしたり・・・芝生公園もあるので、お子さんがいたらそこで遊んだり。
全部を体験すると、半日くらいはかかると思います。
三重県内で温泉施設を持つ道の駅はウチだけなので、ぜひ入ってもらいたいですね。
これからは梅雨に入り、雨も多くなりますが、天候に関係なく屋内でも楽しむことができるので、いいんじゃないでしょうか。

遠方から来るお客さんへの魅力として最近オススメなのは、『珍布峠(めずらしとうげ)』のウォーキングコース。
和歌山街道を利用したコースで、もうちょっと深く行くと、伊勢と大和の『国分伝説』が残る史跡があります。
それが珍布峠。
飯高駅発着で1〜2時間で回って来られる、本当に気軽なコースなんです。
風光明媚な風景をめぐるコースもあり、昨年は1000人以上の利用がありました。

また、この辺りを流れる櫛田川は、僕たちにとってはごく当たり前の川ですが、外から来た人からは、とても綺麗だと感心されたり、なぜ緑色をしているのかを聞かれたりします。
僕らもあまり意識せずに見ていましたが、改めて見ると、確かに美しいですね。
おそらくこの地域に住んでいると、風景などの素晴らしさに気づかないのでしょう。
僕は高校を卒業後、しばらくは故郷を離れていました。
なので、外の人の気持ちでこちらに戻ってきた時に、なんて緑が多いんだろうと感動しました。
『いいたかの湯』は内湯からでも外の風景が見えますので、大自然を眺めながら温泉に入れるという魅力があります。

お客さんはどちらかというと年配の方が多いのですが、お子さんにも来てもらって自然を体感してもらいたいです。
その時の思い出が、その後の成長に生きてくるのではないかと考えています。

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