三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2016年1月10日放送

日本の台所、東京・築地市場で三重県の魚介類をPRするイベントを開催!
今回は三重県海水養魚協議会副会長であり、大紀町錦で、マダイ養殖を営む西村宗伯さんの行動に密着します!

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東京・築地市場。
規模、取引額ともに、世界最大級を誇る卸売市場です。
取り扱っている水産物は、国内外のものを含め、およそ480種類。
1日の入場者は、およそ4万2千人。
24時間眠らない、まさに関東の台所です。

そんな世界最大の市場へ向かったのは、三重県各地の漁師さんたち。
自然豊かな三重の海が育てた海産物を東京へ、そして全国へと発信したい!広めたい!と立ち上がりました。
今回、PRする相手は、築地市場の仲卸人!
セリで商品を仕入れ、小売業や飲食店に販売するまさに、魚介の目利きのプロです!

 

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そんなPRイベントに参加した漁業従事者の1人が、大紀町錦で、マダイ養殖を営む西村宗伯さん。
大紀町漁業活性化推進協議会の委員であり三重県海水養魚協議会の副会長でもあります。

 

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現在は、三重県産の海藻・柑橘・伊勢茶を粉末にしてブレンドしたエサで育てた養殖マダイ『伊勢まだい』を生産。
『伊勢まだい』は、今や地域を代表する魚に育ちつつありますが生産量の確保、販路の拡大を狙って、日々新しいことにチャレンジしています。

 

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PRイベントのため、築地へと訪れた西村さん。
まずは場外市場を視察します。

「やはり日本一の市場ですね。北は北海道から南のものまで入っています」

すると、

「三重の魚はけっこう入ってきているよ!」
と、ご店主。

三重県の伊勢海老は千葉のものに比べると大きく、刺身などにしやすいのだそうです。

 

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こちらの『島津商店』でも、話を聞く西村さん。

「三重は良い魚が多いですね。
ノドグロも美味しいし、今の時期だと牡蠣。
小さいけれど味が良いので、人気があります。
僕の本家は愛知の渥美で伊勢湾を挟んで対岸です。
あのあたりの海は綺麗ですし、良い海から来た魚だとわかります」

と、仲買人の島津修さん。
築地市場でも、三重の魚に対する手応えを感じますね。

実は、西村さんは、家業である漁業を継ぐまでの数年間、この築地で働いていたことがあるそうです。
全国の水産物に触れ、その流通の現場に関わっていました。
そんな経験・知識が現在のマダイ養殖や販路拡大への挑戦に生かされているのかもしれません。

「今回は、私たちが育てているものとか、三重県の水産物を築地の方々にしっかりPRしようと思っています」

と、西村さん。

 

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そしてまもなく、PRイベントのスタート。
仕事を終えた仲卸人のみなさんが、続々と会場にやって来ました。
揃ったのは、魚介の目利きのプロたちです。

 

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とうとう西村さんのプレゼンテーション番がやってきました。
三重県産の柑橘、ひじき、伊勢茶をブレンドした餌で育てた『伊勢まだい』の特徴、おいしさ、そして、その可能性を熱く語ります。

「ここで終わりではなく、ニーズを捉えてどんどん改良し、築地のプロにも認めてもらえる魚を生産したいと思います」

と最後に締めくくりました。

 

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PRタイムが終わると、会場を移して、懇親会を兼ねた試食会です。
『伊勢まだい』は、お造り、そして、煮付けで、味わってもらいました。

 

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「脂臭さもないし、他の養殖ものとは違いますね。
東京でこの『伊勢まだい』を販売したら、ブランド力が出てくると思いますよ」

「率直に、今までの養殖マダイとは別物だと感じました。
柑橘類やヒジキ、お茶をエサにブレンドしているからか、養殖にありがちな薬臭さがないので、頑張ればブランドを確立できるのではないでしょうか」

一方のになるのではないでしょうか」

と、仲卸人たち。

 

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一方の西村さんは、休む間もなく、築地の仲卸人さんのみなさんと交流、情報交換。
自分が手塩にかけて育てた『伊勢まだい』を売り込むチャンス、そして可能性を探ります。

「養殖のマダイのイメージがちょっと変わったという声を聞くことができてうれしいです。
実際「伊勢まだいが欲しい」という要望が出てきて、僕らが活魚をこちらに下ろせるようになったら本当にうれしい限りです」

西村さんは、この日の内に、大紀町錦へと帰りました。
明日も朝から、マダイが泳ぐイカダへと船を出します。

 

「ふるさとの魚」を、全国に売り込む。 
売れる、良い魚を獲り、育てる。
そして、そのために、豊かな漁場、海を守る。

今、三重県の漁業には、数多くの課題・やるべきことがあります。
だからこそ、みんなで一丸となって、未来へと走る。
それが、これからの漁業の大きな力となっていくのです。