2016年1月

志摩で人気なのは海鮮の鯛だけじゃない!
地元のおばちゃんや子どもたち、そしてマスコミも海外の方も注目のたい焼きを紹介します!

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かつては定期船を使って賢島や鵜方へ行き来する人が多かったのであろう。
志摩市志摩町和具の定期船乗り場を出ると、両側にたくさんの店が並んだ商店街がまっすぐに伸びている。

 

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昔ながらの八百屋に魚屋。
旅館に食堂。

人の流れを国道に奪われてから、残念ながら暖簾を下ろしてしまっている店も多いが、それでもがんばって営業しているお店もあるし、最近出来たばかりの美容室やバーなどもあったりする。

そんな温故知新の商店街のはずれに、そのお店はあった。

 

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たい焼きの大田屋。

地元のお客さんに愛されているようで、店の前はおばちゃんたちのたまり場のようになっている。

「はいはい、おまたせ~」

焼きたてのたい焼きを持って出てきたのがこのお店のご主人であろう。
お会計をしつつ、お客さんのおばちゃんは赤いトマトをすっとご主人に渡す。

「これさっき買ってきたやつ。おいしそうやで食べて」
「いやいや、こんなんもろたらたい焼き代より高いがな」

昔からの馴染みが暮らす商店街ならではの光景。
気持ちがいい。

 

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おばちゃんの紙袋からこぼれる甘い匂いに誘われて店に入る。

ご主人はたい焼きを焼いて45年!!
この道を極めた男である。

昔は真珠の養殖もやっていて、その仕事の合間にたい焼きを焼いていたが、いまはこちらが専業である。

 

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こちらは金型ひとつずつで焼く、天然系。
もはや希少な存在である。

1つ1つ丁寧につくる。
時間はかかるけれど、そのぶんお父さんと楽しい話ができる。

 

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子門真人の「およげたい焼きくん」が流行った時は、もう休むヒマがないほどたい焼きを焼き続けたという話。
ドイツのテレビ局が真珠の取材にやってきて、ふらりと訪ねたのがこのお店で、生まれて初めて食べたたい焼きにいたく感動し、

「Es schmeckt gut! エス シュメックト・グート!」

と叫んだ話とか。
その証拠に、ドイツ語のサインが残されていた。

 

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太田屋はたい焼き屋であるものの、お昼に手こね寿司や漬物を販売している。
が、それは人気で午前中にほとんど売り切れてしまうそうだ。
この日も残念ながらすべて売り切れてしまっていた。

 

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「ほい、焼けたよ~」

アチアチのたい焼きを小さな袋に入れてもらって、その場で頬張った。
衣はパリパリのサクサク、アンコはもっちり。
衣の甘さは匂いで楽しみ、アンコの甘さは舌で楽しむって感じか。
とにかくうまい!

 

たい焼きの大田屋
住所:三重県志摩市志摩町和具1939
電話:0599-85-6607
営業:9:30~17:00(年中無休)