FM三重『ウィークエンドカフェ』2016年3月12日放送

今回のお客さまは名張市『旧細川邸やなせ宿』を運営する『まちなか運営協議会』事務局長の田畑純也さん。
昔から名張川は「あゆ」の名所で、この付近には「あゆ」を捕るための「やな」がたくさんありました。
ここからその地名も「やなせ」と言われるようになったそうです。
明治以降、地名は「名張」になりましたが、かつて宿場町としてにぎわった、時代を感じさせる風景がここにはたくさんあります。
旧細川邸やなせ宿、色々な思いが込められて運営されています。

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細川邸は薬商の建物だった

名張地区はビジョンを作っています。
原風景を活かしながら、忍者があふれる町にしようというのが目的なんです。
その中で1つ実現したのが『やなせ宿』かなと思います。
観光客もこれからのシーズン、ハイキングなどに来てもらっています。

細川邸は昔、薬商を営んでいまして、本店は奈良県の宇陀市にありました。
そちらは文化財となっていますが、今でも薬の館として観光客が来ていると思います。
細川邸は無償で市が払い受けまして、民営の『まちなか再生プロジエクト』を作り、ここを観光交流施設とし、現在に至っています。
プランを始めたのが平成18年で、『やなせ宿』としてオープンしたのが平成20年の6月。
今年で8年目になります。
三重大学工学部建築家の浦山先生に指導を受けながら、ここの運営をどうしようかと。
見たとおり蔵はありますが、実質見るべきものは町屋くらいなので、どう集客をしようかを考えた時、ワンディシェフやイベントなど、自主事業をいつもやっている形にしようと。
そのかいあって、今年は1月現在で2000人の来客がありました。
去年より多くて、年々少しずつ増えているという状況です。
こういう施設は徐々に減っていくということが多いのですが、『ながせ宿』はおもてなしをすることで、こういう成果が生まれているのだと思います。
蔵があって、蔵の中にカフェがあって・・・今日はお雛さまも飾られていて。
四季折々の季節感を出しながら、おもてなしををしています。

 

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ンディシェフレストラン『コミュニティカフェやなせ』

もともと『ワンデイシェフ』は四日市の海山さんという方がシステムを作ったんです。
ここをオープンする際、そちらに見に行かせてもらいまして、オープンに向けてお話を伺いました。
現在に至るまで7年間、日替わりシェフが食を通じた交流をしてくれています。
これがあるからリピーターの方も多く来ていただいています。
登録しているシェフはおよそ35。
でも1年に数回という方もいるし、来ない方もいますし。
やはり自分で作って食べるのはできますが、いざ販売となるとけっこうハードルが高くて難しいようです。
やる気がある人が集まらないと続きませんね。
運営の方でコーディネートする人を養成していますし、当初私が飲食関係をしていたので、最初は入りながらシステムを構築し、現在に至っています。

最初の頃は大変でしたね。
シェフにどんな方がいるのか、どうやって集めるか、どういうシステムにするか・・・また、価格の問題もありましたし。
自分の個人経営ではなく公設なので、そのあたりも難しかったです。
シェフを探すのも大変でした。
現在も続いている人は1名、伊賀市から来ている『ビストロジャムおじさん』という方。
昔はシェフをしていたそうで、ここに来て腕をふるってもらっています。
本当にありがたいです。
現在、『コミュニティレストランやなせ』の予定表には、休館日の月曜以外
びっしりとお店の名前とメニューが記されています。
今日、3月12日は手打ちそばのお店が出店しています。
手打ちそば、とろろそば、卵とじそば。
明日は、アボカドカフェのお店がタコスを中心としたメニューを出す予定です。

それから『やなせ宿』では、『乱歩ランチ』も作っています。
乱歩が好きだった支那そばを横につけたり、20面相のシルエットが入ったちらし寿司を入れたり。
また、名張は『牛汁』がB-1グランプリなどでも話題になっているので、『牛汁ランチ』提供しています。
特別なメニューも出しながら、いろいろな人が来てもらえる回数を増やしていきたいと思い、スタッフにもけっこう考えてもらっています。

 

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なせ祭り、あゆまつりなどを開催

『やなせ宿』では、年間70ほどの主催行事をしています。
大きい行事としましては、6月の第2週に『やなせ祭り』。
ここで地元の食の『のっぺい汁』や『ふき俵』をふるまいます。
『ふき俵』というのは、昔、畑に行く時に、蕗の葉に豆ごはんを包んだもの。
中では、若いお母さんたちが『MOM’s マーケット』で、手作り品を販売しています。
これがとても人気がありまして、沢山の人が来ます。
『やなせ祭り』には6000人ほどの人が訪れます。
また、前の河原の前では10人くらいが乗れる汽車を走らせます。
会場の前では、ご当地キャラクターの『ひやわん』のイベントを行ったり、2日間でいろいろな催しがあります。
それから名張高校の放送部が司会をしたり、他の高校の生徒がそれをサポートしたりと、高校生たちも参加します。
高校勢が独自に、自分たちで勉強しながらやってもらっています。

昔から名張川は『あゆ』の名所で、この付近には『あゆ』を捕るための 『やな』がたくさんありました。
だから地名も『やなせ』。
そんなこともあり、8月には『あゆまつり』を開催します。
ここであゆを焼いて食べてもらいながら、いろいろな方々と交流してもらいます。

10月には『名張地区まちづくり推進協議会』が、『名張街道市』というのを2日間開催します。
その時は2〜3万人の人出があります。
ここ『やなせ宿』の会場でも合わせてイベントを行ったり、町全体が、町並みを含めた中の交流をしたり、けっこう盛りだくさんです。

 

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い街並み、ひやわい、乱歩生誕の地 名張はいいところ

名張では古い町並みの中に細い路地があるんです。
そこを『ひやわい』と呼ぶのですが、屋根のひさしとひさしが重なっているから、そう呼ばれているそうです。
懐かしさを覚える風情のある町並みなので、みなさん行ってくれますね。
住んでいる人はあまり感じないですが、外からくる人はその辺を楽しんでいるみたいですね。
迷路っぽくて、中に入って行くと、よく迷いますよ。
裏道をずーっと入っていきますと『乱歩生誕の地』もありますよ。
そんな仲でお寺が多く、狭い範囲で4軒のお寺があります。

それから、けっこうお菓子屋さんも多いですね。
観光協会から、和菓子巡りのパンフレットがでており、好きなお店を5軒まわって1店あたり600円という企画もしているようです。
名張はお菓子屋さんの他、お寺も多いのですが、これはやはり城下町だから、その名残が残っているんでしょうね。