三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2016年4月17日放送

6年半の不通を越え、復活した名松線!
そんな美杉地域をさらに盛り上げるべく、観光案内&交流処がオープンしました!

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松阪市と津市美杉町を結ぶJR名松線。
2009年10月の台風の被害により一部区間が不通になっていましたが、先月3月26日に、なんと6年半ぶりに全線復旧!
運行を再開しました。
終点の伊勢奥津駅では一番列車の出発式や、復旧記念式典が開催され、大いに盛り上がりました。

 

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一方こちらは、美杉町太郎生。
一度、奈良県の御杖村(みつえ・むら)を通ってさらに、三重県に入るという、まさに県境の静かな山里といった感じの場所です。

 

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今回紹介するのは、この地区の「観光案内・交流処『ようこそ』」。
過疎化が進む太郎生地区を活性化させようと、地域のみなさんの協力を得て、JR名松線が平成28年3月26日に全線開通することを見越し、3月24日にオープンしました。
美杉で捕獲されたシカ肉を使ったジビエ料理を通じて地域の魅力を発信。
また、地元の人に楽しんで、健康になってもらおうというイベントを開催するなど、地域の声に応える、様々な企画も考えています。

 

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「観光案内・交流処『ようこそ』」代表の山崎倫敬さんは、奥さんの実家が太郎生ということもあり、過疎・高齢化、そして獣害などの現状を見て立ち上がりました。

「全国的に『ジビエ』の需要が高まっている中、お肉をそのまま有効活用するのがこの地区のためになると思います。
田舎へ来て心が癒せるような場所が太郎生であり、『太郎生へようこそ』という意味で、『ようこそ』という名前にしました」

 

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店を切り盛りするのは、廣口容子さんは、太郎生に嫁いで43年。
大ベテランのお母さんです。
実は、廣口さん、太郎生の個性的なお店やギャラリーが集まり地域の魅力を伝える『太郎生道里夢』のメンバー。
以前に一度紹介しました。

「この太郎生を元気づけたいという、山崎さんの意欲に感動し、お店の運営に参加しようと決めました。
大変ですが、みなさんの助けで開店してから2度3度と来てくれる人もいます。、『この間のカレーがおいしかったから』とか言われると、疲れも忘れてまたがんばろうと思います」

 

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『ようこそ』の定番メニューは、地元の猟師さんが捕獲した鹿肉を使った『津ぎょうざ』と一口サイズの『太郎生餃子』。
太郎生餃子は、津ぎょうざとは違い、焼いてあります。
どちらも臭みはまったく気になりません。
太郎生餃子は一口サイズとあって、女性にも好評だそう。

 

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こちらは『猟師のシカ肉カレー』。
サラダとコーヒーがついています。
角切りになった鹿肉がゴロッと入っているのが特徴。
噛めば噛むほど繊維がほどける柔らかさ。
ルウからこだわって作っています。

 

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ランチタイムに合わせてやって来る、お客さんたち。
まだオープンして間もないため、応援スタッフがお手伝い。
今のところ、食事メニューは、ジビエカレーと餃子だけですが、今後は日替わりランチなども提供していく予定だといいます。

 

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「新聞を見て名張市から来ました。
鹿肉カレー、美味しいですね」

「僕は隣の地区からです。
昔から地域地域で、それぞれが頑張っていますが、こういったお店があれば、地域を行き来し交流することが増えると思うので、非常にいいと思います」

 

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「私は試食会と開店の日と今日で3回目。おいしいですよ」

「まだはじめたばかりなので、そんなに急にお客さんが増えることはないでしょうが、他の地域の人に教えてあげたら、来てくれると思いますよ」

 

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「観光案内・交流処『ようこそ』」では、食事の提供だけでなく地域の情報冊子やイベントのチラシなどを揃え、観光案内所としての役割も。
また、太郎生の方の手作り品や地元美杉産のお茶など、特産品や工芸品の展示・販売も行っています。

 

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そして、毎週木曜日には地元の人にお店を貸し出し、『週一カフェ』を開催。
地元産の卵を使ったモーニングセットなどが提供されています。

『週一カフェ』を運営しているのは、この日応援スタッフとして働いていた中井標さん。

「地元の人が早朝から散歩しているので、ちょっと帰りに寄ってもらって、憩いの場的な、ゆっくりした時間を過ごしてもらえたらなと思い始めました。
生まれも育ちも太郎生なので、地元の人の役に立てるとうれしいです」

 

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閉店後はメンバーと地元在住の山菜採りの名人も集まって、新メニューの打ち合わせ。
メニューのアイデアは、地元のことをよく知る方にも参加してもらい、その季節季節ならではの太郎生の味を使う食材から、みんなで考えていきます。

「最近ひとり暮らしの方が増えているので、『店が開いているから行こうか』ぐらいに、気軽に来てもらいたいですね。
さらにプラスαがあると良いのですが」

と、廣口さん。

「人を呼ぶ工夫をしている以上、将来的には現在廃校となっている『太郎生小学校』を再開できるほど、子どもたちを増やし、元気な村にしたいと思っています」

と、山崎さん。

 

津市美杉町太郎生へ、ようこそ。
心癒される自然と、ジビエのランチ
そして、素朴な地元のみなさんとの交流。

それが太郎生の「おもてなし」です。