東名阪自動車道で最大規模のサービスエリア『EXPASA御在所』内のコンビニエンスストアで、お店の顔と言っても良いくらい目立った場所で販売されているのが、ヒット商品の『ミエ・シャントン』。
なんとこのコンビニエンスストア内の『珍味部門』』では堂々の1位の売り上げ！
好きな人は1人で5個も10個も購入するそうです。

『ミエ・シャントン』は、三重県産豚肉を使ったポークジャーキー。
実は就労支援施設『NPO法人みどりの家』が製造しています。
手間ひまかけた製法とこだわりのスパイスで、今ではリピーター続出の人気商品に！
売上金は、障がい者の就労支援事業に役立てられています。

この『ミエ・シャントン』を作っている『みどりの家』加工場は、四日市市内のショッピングセンターの中にあります。
『NPO法人みどりの家』の理事長である猪野有理さんに、なぜショッピングセンター内に加工場があるのかをお聞きました。

「『みどりの家』は障がいのある人の就労支援をしています。
平成13年からこのショッピングセンターで資源ゴミの回収やリサイクルしていた関係で、従業員食堂であった所を借り、食肉加工しています」

『みどりの家』は、四日市市に本部を置くNPO法人。
就労支援施設のほか、エコステーションなどを設置するリサイクル事業や、レクリエーション、メンタルカウンセリングなど、さまざまな事業を行っています。
現在、『ミエ・シャントン』を製造する就労支援敷設では、35人の利用者が通っています。

国産食肉加工品コンテストで金賞受賞した横浜マイスターを紹介して貰う機会があったため、食肉加工を障がいのある人の仕事にできないかと提案し、事業化へ。
マイスターに監修を受けた製法で、豚肉は三重県産、スパイスはドイツ産と、原材料と製法にとことんこだわった『ミエ・シャントン』。
5年前に販売してから、売上はずっと伸び続けているそうです。

こちらが加工所。
ここでは肉並べから味付け、漬け込み作業を行います。
肉を一枚一枚、破れないよう丁寧に並べて漬け込むため、手間ひまがかかります。
振りかけているのは、味の決め手となる調味料をミックスしたもの。
味が染み込んだところで、それをアミに並べていきます。

ほとんどの工程は、利用者のみなさんによる手作業。
スモークのまえに、肉を一度乾燥させます。
再び肉の並べ直し。
もちろんこれもすべて手作業です。

「作業はとても楽しいです」

「はじめは仕事をするのは無理だと思っていましたが、できるようになり嬉しいです」

と、利用者のみなさん。

スモークのあと、さらにもう一度乾燥させて、計量と袋詰作業。
品質を保つため、袋詰にもひと工夫。
真空パックにして、香りと風味を守ります。
こうして、なんと11におよぶ工程を経て、ようやく『ミエ・シャントン』は完成するのです。

また、利用者の身体の負担を考え、休憩時間にはこんな体操も・・・。
みどりの家では、就労支援施設の利用者だけでなく、障がい者の雇用も行っています。

「ジャーキーになって皆さんに食べていただけるという喜び、それを仲間と一緒に味わえることに、今とても喜んでいます」

と、生活支援員の豊田弘美さん。

「製造や包装をしている利用者さんたちは、生きがいを感じているように思います。
これを食べてくれる人がいる、喜んで買ってくれる人がいるから、自ら進んで作業しているように見えます」

と、同じく生活支援員の東條種子さん。

そんな『みどりの家』では、『ミエ・シャントン』に続く新商品の開発が進められています。
松阪牛を使ったビーフジャーキー。
なんと予定価格1800円だとか！

この日、利用者やスタッフのみなさんでその新商品の試食会が行われました。
松阪牛の旨味そのものが凝縮された味わいに、利用者のみなさんもびっくり！手と口がとまらなくなってしまう松阪牛ジャーキー。
近日販売予定です。

「どんどん新商品を出していかないと売れ続けないと思っていたのですが、この250円の定番商品が5年も、しかも右肩上がりなのは本当にありがたいです。みんなの個性を尊重して、安心して働き続けられる職場作りを、施設内外に広めていきたいですね」

と、猪野さん。

『ミエ・シャントン』は三重県内の『サークルＫサンクス』、近鉄主要駅ホーム売店、東名阪自動車道『EXPASA御在所（上下線）』内の『ファミリーマート』などで販売。
インターネットでも購入可能です！