FM三重『ウィークエンドカフェ』2016年8月13日放送

今回は、三重県水球委員長の川口智央さんがお客様。
水深2mのプールでボールを奪い合い、ゴールに入れる競技、水球。
水中の格闘技とも言われています。
日本代表選手として活躍された川口さんは、現在、四日市中央工業高校水球部の監督でもあります。
そして、三重県の水球競技をさらに広めるため水球委員長として子供達を指導しています。
泳げなくても小学生ならいつの間にか、競技に携わることで泳げるようになっていくそうです。

今、全国の水球人口がおよそ5000人。三重県では100人ほどだそうです。
その三重の水球界を川口先生が引っ張ってくれています。

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球は世界で2番目にしんどいスポーツ

水球の見どころはやはりシュート。
ボレーシュートや水にボールを当てたバウンドシュートというのがありますが、水球の場合は全て片手でしないといけないので、それがワンタッチシュートという形で華麗に決まると、観客からも大歓声があがります。

基本的には腰を使います。
腰の重心移動をするように身体を返していったりしますが、水球の場合うつぶせの状態から仰向けになることもあるので、足の先を中心に動いていくほうが移動の幅が大きくなります。
ひっくり返ってうつ伏せの状態から起き上がると、頭の先から頭の先までが、距離がありますよね。
立泳ぎというより、横の移動が多いですね。
ただスタンディングプレイもあるので、縦横の動きが非常に要求されますね。
あるスポーツを何時間するとどれだけのカロリーを消費するのか・・・という計算がありますが、水球は相当しんどいです。
今はわかりませんが、私が現役だった20年ほど前は、この世で一番しんどいスポーツはアイスホッケー、その次が水球だと聞いていました。
しかしそれを調べたのは誰かということはわからないので信ぴょう性はともかく、それほどハードなスポーツというのは確かです。

 

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と体、礼儀を育てる

水球の効果として、まず身体が鍛えられるというのが、一番の前提。
それから筋肉が引き締まってくるということと。
それから身体だけではなく挨拶や礼儀にもしっかりと重点を置いて、小学校から指導していくのが三重県の水球、そして全国の水球の取り組みです。

コンタクトプレーが多い競技ため、体の芯がしっかりしていないとパワー負けしてしまうので、筋力トレーニングは欠かさずやっています。
基本はボールを相手ゴールに入れることと、自分のゴールにボールを入れさせないことです。
水の中でいかにボールを進めていくかということですね。
水中だとどうしても動きが鈍くなるので、サッカーやバスケットボールのように一対一でドリブルで抜けるかというと、やはりなかなか抜けなません。
そういう時にボールを離すとファールとなり、審判がフリースローを取ってくれるということになっています。

 

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ァールをもらうか点を取るか、熱いゲーム展開

水着一枚で競技しているため、水着が引っ張られてしまったりすることが多々あります。
水の中は水しぶきが上がっているので、視界が悪いんですよね。
その中で選手同士の激しいつかみ合いが行われます。
特に女子は上まで着ているので、つかむ場所がたくさんある。
シュートを打ちに来るときに、わざと水着を引っ張ったりなど、海外ではよくあります。
ボールを持っている選手に正面からアタックする分にはOKなんですよね。
そのボールを放した瞬間にアタックした場合にはファールになりますが、そのファールをもらうかシュートを一本決めるかとなった時は、水着を引っ張られてもシュートを決めたい。
やはりチームに貢献できるので。
それがたまたま抜けてしまうこともありますが、それだけ集中しているということです。

 

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中高、社会人まで一貫指導をしていた

10数年ほど前まで、三重県は小中高社会人、ジュニア育成から高校生まで、鈴鹿スポーツガーデンで一貫教育していたんです。
それが全国的に認められ、水球のモデル県として取り上げられたこともありました。
水球人口が少なくなったため、現在は一旦なくなり、また他県で一貫教育するところが出てきたので、モデル県ではなくなりました。
しかし今また、『三重県wpスターズ』というところで小中学生が、また高校生や社会人も復活しつつあるので、全国的に見ても三重県は活性化しているといわれています。
シュートを決めた時に一番盛り上がる、チームゲームなのが醍醐味ですね。
チームゲームにも喜怒哀楽があって、それをお互い共有して、仲間同士で成長していくのが一番の魅力。
その中で水球を選択してもらって、水球の魅力を子どもたちがどこに感じるか・・・。
シュートを打つのが楽しいという個もいますし、また自分のボールを受けて、シュートを打ってくれるのが嬉しいという個もいます。
またディフェンスに楽しさを感じる子もいます。
役割分担した中で試合に勝ち、喜びをわかちあうことができれば、強いチームができ、自分のためにもなっていくと思います。
水球というスポーツを通して、子どもたちは成長していきます。
仲間との共有をたくさん増やして、チームは強くなっていきます。
しんどいことはたくさんあるけど、勝つことへの喜び、チームの絆など、たくさんのことを学んでいきます。
私のチームというか、本校の生徒も、三重県で小学生からやってきた選手が沢山います。
赴任して10年めになりますが、その当時5歳や6歳だった子が成長し、今、日本のトップ大学生になり、日本のトップクラスとして活躍している子もいます。
その子たちに当時の写真を見ると、可愛らしかったんだなという印象を受けますね。