三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2016年8月28日放送

高齢化が目立ちはじめた大安町南金井地域で、地域ぐるみで高齢者の孤立や閉じこもりをなくし介護予防に役立てようとサロンを開催!
メンバーと参加者が一緒に、認知症予防を目的とした軽い運動や頭の体操、ゲームや歌などを満喫しています!

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いなべ市大安町南金井の八幡神社。
境内の一角にある集会所では、明るい歌声が響いています。
高齢化が目立ちはじめた地域で、高齢者の閉じこもり防止、介護予防を目的として、月に2回、午前9時から11時までの2時間、みんなでいっしょになって楽しむ『地域サロン宮美会』が開催されていました。

 

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「ここに来ると、心を割って話せるので楽しいです」

「みんなの顔見るのが楽しいです。ここへ来ると会えるので」

「ストレスが溜まらなくなりました」

「たった半日でも、いろいろ発散でき本当に充実しています」

参加者のみなさん、本当に楽しそうです!

 

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『地域サロン宮美会』のリーダー・日沖照美さんに、会の設立についてお聞きしました。

「私がいなべ市の社会福祉協議会に勤めていた時、新潟県にある『うちの実家』という常設型地域の茶の間へ見学に行ったんです。
その運営に強い感銘を受け、地域のお年寄りたちを何とかしてあげないといけない・・・という気持ちで始めました。
お宮さんへ美男美女が集まる会という意味で『宮美会』と名づけました」

宮美会がスタートしたのは、今から5年前の平成23年。
現在の参加メンバーは65歳から97歳の31人!
みんなで歌や体操、ゲームなどを楽しんでいます。
また、宮美会は、南金井の集会場だけでなく、ほかの地域での出張サロンも展開中。
その楽しさ、効果が口コミで広がり、今や県内を飛び回るほどの人気になっています。

 

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サロンではまず自己紹介。
自分の右隣と左隣の人も紹介します。
これは、誰が来ているか、名前を言うことによってわかってもらえ、自分自身も知ってもらえるからとのこと。
そこから生まれる親近感を大切にしています。

 

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続いてはじまったのは、あとだしジャンケン。
勝ち負けを競うのではなく、リーダーの日沖さんが出した手に合わせ、勝つ手、負ける手、違う手など、瞬間的に考えて出していくゲーム。
頭と手の両方を使うため、認知症予防に効果的なんだそうです。

 

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今度はお手玉遊び。
お手玉を掛け声に合わせて隣の人に渡していく。「変えて」の掛け声で渡す方向を変えます。
これも意外と頭を使いますよ!

 

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この日、最後のゲームは、お金持ちゲーム。
なんとおもちゃのお金をかけてじゃんけんで勝負していくという、いたって単純なゲーム。
しかしこれが一番盛り上がるんだそうです。
最初は列ごとの団体戦。
そして勝ち残った2列の中で、一番のお金持ちが賞品をかけて最後の決戦に挑みます。

この日の優勝者は小川さん!

「うれしかったです。ありがとうございます」

 

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ゲームの後は音楽演奏。
病気などで参加できなかった人には、病院や自宅に『訪問出前サロン』も行っています。

 

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『地域サロン宮美会』のサブリーダー・清水公也さん(上)とスタッフの小川久弥さん。
清水さんはスライド映像やクイズなどを作っています。

「興味を持って楽しみながらやっているので、人が思うほど大変ではないと思います。
みなさんに喜んでもらうことが自分の達成感になっていますね」

と、清水さん。

「こちらへ来て30年になります。
当時は隣組など、いろいろ助け合ったりしていましたが、最近はそういうのが少なくなってきて、子どももいないお年寄りばかりです。
こうなったら、年寄りの面倒は年寄りが見るべきなのだろうな、と」

と、小川さん。

 

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スタッフの清水五代さんと小川佳子さん。

「高齢者の方の元気の秘密をいつも聞いて、こちらが楽しませながら楽しませてもらっています。それが私の元気のもとです」

「みんなが協力した歌の時などよろこんでくれる笑顔を見たら、こちらも楽しくなります」

 

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参加者もスタッフもいっしょになって愉しむ宮美会。
その中に地元の民生委員の姿がありました。
宮美会のサロンには、必ず民生委員の担当者にも参加してもらっているそうです。

「今まで全然お声掛けもしなかった方がここに来て会話をしたりとか、ちょっと家の内情も教えてもらったりとか、そういうことがよくわかりますので、とてもいい催しと思っています」

と、民生委員の藤田良子さん。

毎回参加している人が顔を見せない時は、あとで自宅を覗くなど、健康確認の場にもなっているそうです。
大いに笑い、楽しみながら、互いを支え合う宮美会。
今や地域に欠かせない存在になっているようです。

 

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この日は、地元、笠間小学校の校舎建て替え前のお別れ式典の日。
宮美会のスタッフのみなさんは、出前サロンとしてステージをつとめることに。

 

「どこに行っても『宮美会はみんなと一緒に楽しめるからいいわ』と言ってもらえるのが嬉しいですね。
元気そうな人の顔を見ると私もとても元気になるので、『地域サロン宮美会』は続けていかないといけないと、いつも思っています」

と、日沖さん。

 

世代を越え、
地域も越え、
歌い、笑い、遊び、つながり、『地域サロン宮美会』の活動はつづきます。