FM三重『ウィークエンドカフェ』2016年10月15日放送

今回は、四日市の『コンビナート語り部の会』共同代表の古川勝敏さんがお客様。
7年前にスタートしたコンビナートの語り部。
多くの方と触れ合いながら四日市の魅力を発信しています。
みんなでいろんなことを勉強しながら、お話の内容を考えていらっしゃいます。

今大人気の、四日市コンビナート夜景クルーズでは、船に一緒に乗って1時間、お客様にコンビナートを案内してくれます。

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本の夜景遺産に登録

ポートビルは高さが90m。
そこから見る景色は昼も素晴らしいですが夜も素晴らしく、昨年、日本の夜景遺産に登録されました。
非常にきれいな夜景が見られますので、夜になるとたくさんの方がここにきて、上から見る工場夜景を楽しんでいます。

 

方の方も近隣の方も、ぜひ乗船を!

今は金・土曜日の19時から船を出しており、おかげさまで連日満席です。
遠方から来られるお客様も多く、北は北海道から南は沖縄まで。
今年で7年目、5月に乗船2万人突破いたしました。
未だにマニアの方が遠くからみえて、楽しんでもらっています。
大別すると、カップルか中年女性の集まりが多いですね。
若いカップルが夜景を楽しむのはもちろん、最近多くなったのが年配のカップル。
それもご主人がコンビナートを退職したのを機に、奥さんを連れて船に乗って、自分で工場の案内をするというのが多いです。
船に乗ると奥さんに「ここが俺が勤めとったところだ」というような話をしています。
奥さんもしっかりと聞いてみえて、「夫の勤め先は全然知りませんでしたが、ようやくすごい所に勤めていたのだとわかりました」と言って降りていかれます。
日本の経済成長を支えてきたコンビナートなので、いろいろな思い出がありますよね。

遠くから来た方は、コンビナートは初めてということが多いですが、四日市に住んでいる人も、日常目にしている明かりが、海から見るとまったく違うことがわかるんですね。
そういう意味で、新たな目で見てもらえるのでは・・・と思います。
四日市、桑名、鈴鹿、亀山の方もぜひ来ていただきたいですね。
随分近いところまで行くので、働いている姿や、外国船から洗濯物を干している姿なども見られ、こんなところにも生活があるんだな、と感じます。

 

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ンビナートのいいところを紹介していきたい

四日市市からコンビナートの工場を観光にしたらどうかと、四日市の東京支社の方から話があったのが最初です。
というのは神奈川県川崎市ではすでに工場地帯の夜景クルーズ行っていて、非常に良いと。
四日市にもコンビナートという観光資源があるのだから、やってみたらどうかと言われまして。
四日市市の方からコンビナート企業の方にも話が行ったようで、私たち企業OBに、企業の担当者から、ぜひやってほしいとの要望が来たのです。
コンビナートというと公害というか、みなさんにあまり良い印象がなかったので、是非良いところを見てもらいたいとの思いでメンバーを4人集め、我々で原稿を作りました。
どんな企業があるのか、コンビナートの歴史、何を作っているのか、それから公害の移り変わり・・・。
こうしたものを含め、約1時間のコースの中で、コンビナートを知ってもらおうと勉強をし、これまでやってきました。
正直続くのかなと不安でした。
しかし、そんな私たちの意に反して、非常に好評でTVなどいろいろなメディアで取り上げてもらい、芸能人なども来て船に乗ってくれました。
そうすると次の週には乗船したいという問い合わせが続々と来ました。
1年持つかと思っていて、気づいたら7年。
今でもだんだん増えてきているので、まだまだいけると思います。

 

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分がまず楽しむこと。わかりやすい言葉でご案内

御在所のロープウェイの明かり、天気の良いときはセントレア空港、トリトン橋、長島温泉・・・船からは色々な景色を見ることができます。
見えるときは見えるときで案内しますし、大きな船が湾内にいるときは、その船の説明をします。
その時によって話すことも変わりますし、質問を受けるときもあります。
「わかりません」とは言えないので、私たちも勉強しながら案内しています。
お客さんの中には興味を持っていてよく知っている人もいますからね。
特に私どもが気をつけなければならないのが、コンビナート内の企業の、東京本社の役員さんたち。
社長や副社長さんがお忍びで乗ってこられるので、間違ったことを言ったら大変なことになります。
船から降りる時に、初めて身分を明かされて、「私のところの会社を宣伝してくれてありがとうございます」と言われると、ホッとします。
初めて四日市に来て、コンビナートに勤めることになった方が乗船していろいろな企業を案内してもらうのは、非常に勉強になると思います。

最近ではクルーズだけではなく、工場見学もしていますので、大きな視野で四日市のコンビナートを見てもらい、その上で自分たちの会社がどういう位置付けなのかを知ってもらうのも勉強だと思います。

私のモットーは「自分がまず楽しむこと」。
なので自分がどう案内してもらったら楽しめるかを考えながら、人の立場に立って話しています。
なるべくわかり易い言葉で、内容も噛みくだいて。
特に50〜60代の奥さんが乗っているときは、スーパーで使うプラスティックはここで作っているとか、ラップはこの工場で作っているとか、生活に密着しているということを中心に話すと、真剣に耳を傾けてくれます。
そういうときは、本当に気持ちが良いですね。

 

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海道や萬古焼、水沢茶、魅力あふれる四日市を伝えたい

より多くの方に四日市を知ってほしいということで、これまではコンビナートを中心に活動してきましたが、私たちのグループではこれから、いろいろな所を案内したいと思っています
四日市は東海道五十三次の43番めです。
そういうところから昔を振り返ることもしたいですね。
他にも潮吹き防波堤や末広橋梁、日本でもここにしかないという遺産が残っているので、そういうところをみなさんにご案内したいと思っています。
歴史の中の四日市、これをみなさんに知ってもらうために、力になれたらなあと。
コンビナートだけでなく、いろいろなもので。
四日市はコンビナートの前は商業の町でした。
土鍋のシェア8〜9割を占める萬古焼、伊勢茶である水沢のかぶせ茶、大矢知のそうめん・・・たくさんの名物があるんですね。
そんな名物からも四日市を知ってもらって、コンビナートの街以外に観光の街であり、昔からの伝統的なものがある街であること、いろいろな四日市を知ってもらう一助になれたらなと思います。
私たち以外にも活動しているグループの方々がいますので、交流を深めながら、四日市を盛り上げるために何をしたらよいかを考えています。

 

を張って四日市と言える町にしていきたい

今から50年前には公害がありましたが、その時から比べると、今はガラリと変わりました。
川越まで行くと潮干狩りもできますし、野鳥を見ることも魚釣りもできます。
公害が起こる前の四日市に、自然が戻ってきているのを感じます。
三重県の中の四日市と、胸を張って言えるような街にしていきたいですね。
それだけが願いです。