FM三重『ウィークエンドカフェ』2017年4月29日放送

今回は、桑名市長島町にある『輪中の郷』館長の小林清成さんがお客様です。
ここには歴史民俗資料館、産業学習館、体験農園があり、たくさんの人でいつも賑わっています。

長島は、木曽川、長良川、揖斐川の3つの川と伊勢湾に囲まれた細長い島です。
山からたくさんの水とともに土や砂が運ばれてこの土地ができたそうです。
輪中は、木曽三川の下流に住む人が、力をあわせて堤防を守ったり、水の管理などをしてきました。
100年以上前には80もの輪中があり、水を利用して水とともに生活をしてきました。
平成5年に完成した『輪中の郷』は輪中をテーマに、見て、触れて、体験ができる場所です。

史民俗資料館には100年以上前に建てられた水屋を展示

100年以上前に実際に建っていた、輪中特有の建物である水屋を移築して、展示しています。
水屋は万が一堤防が切れて洪水になった時に、避難するための建物なので、ぜひ見ていただきたいですね。

 

中をテーマに歴史などがわかる

この『長島輪中』というのは、木曽川・長良川・揖斐川の流れによってできた輪中となっています。
その輪中をテーマにした資料館がこちらです。
社会の授業では習っても、実際に来てみないとあまりピンとこないかもしれません。
長島輪中は完全に川に囲まれた、いかにも輪中という地形をしていますので、見て勉強してもらうにはとても良い地域だと思います。
立地上、愛知県や岐阜県から、特に小学校の生徒さんが、そしてもちろん地元桑名市四日市市の小学校からもたくさん来てもらっています。

この施設は輪中をテーマに建てられた施設で、長嶋輪中の歴史・文化・産業を紹介している複合施設として、平成5年に開館しました。
歴史民俗資料館は輪中の成り立ちや治水について、パネルでもわかりやすく解説しています。

 

穫を中心とした農業体験ができる!

古くは江戸時代の中頃に行われた宝暦治水、それから明治時代に行われた木曽三川の大改修工事などを主に展示しています。
さらに昭和34年9月にこの地方を襲った、伊勢湾台風に関する資料なども展示しています。
生活ももちろんそうですが、農業をするにあたっても、さまざまな工夫をした苦労の跡も見えると思います。
輪中は、もともとは水田、いわゆる稲作に適した地域であったことから、それを中心に発展してきました。
こちらでも農業体験をしてもらえるよう、準備しています。
昔の輪中で行われていた『高畝』という方法は普通の畝では水に浸かってしまうので、畝を高くして栽培する農法です。
その方法で栽培された作物を収穫する体験では、4月下旬から5月にかけてはタマネギを、6月以降は春タマネギ、サツマイモ、秋ジャガイモを予定しています。
ゴールデンウィークはかなりの人で賑わうと予想されるので、体験などは、あらかじめ予約してくださいね。

 

マトケチャップ作りや味噌作り教室

申込みは4月15日からなので、現在すでに締め切っていますが、5月にはトマトケチャップ作りを開催します。
長島地区で栽培している『桃太郎プレミアム』という品種のトマトを、直接農家の方から分けていただき、それを利用してケチャップを作ります。
今年度開催するのはこのトマトケチャップ作り、それから12月から翌年の3月頃にかけて、輪中味噌作りです。
輪中味噌は、農家の方から分けていただいた長島産の米と大豆を使って、減塩の味噌を作ります。
なぜ減塩かというと、昔の農家の方は汗をかくので塩分の濃い味噌や食べ物を摂っていたようですが、それだと今の健康にはよくないありません。
そこで、減塩というか健康をテーマにした味噌作りとなっています。
ケチャップや味噌作りに関しては、美味しいということで、毎年リピーターの方が参加してくれています。
手作りのケチャップはなかなかないありませんし、実際食べるととても美味しい、味噌も非常にコクがあるものが出来上がります。

 

時『海苔すき体験』ができるのは、おそらく全国でここだけ

うちの施設では『海苔すき体験』も開催しています。
この海苔は長島沖、伊勢湾で採れた海苔を利用しています。
海苔すき体験を常時できる施設としては、おそらく国内で唯一だと思っています。
体験する人が上手にできるように、ちゃんとこちらで指導するのでご安心ください。
所要時間は30分ほど。
特に子どもさんは喜んで体験をしていますね。
完成した海苔は、持って帰って食べられるようになっています。
今はスーパーで売っている焼き海苔しか見たことがないという人がほとんどですが、やはり自分で作った海苔は、味も格別だと思います。
海苔すき体験をしてもらう時は、海苔のでき方、作り方、さらに美味しい食べ方もあわせてお話しますよ。

 

史民俗資料館に来て、防災のことを改めて感じてほしい

普段の生活の中では、最近は排水機が完備されていて、地元の方でも他人事のような感覚でいることが多いと聞いています。
だからこそ、こういった施設に来てもらい、今一度防災に対する気持ちを新にして対策をしてもらいたいですね。