三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年8月6日放送

湯の山温泉街に空き店舗が多くなってきていることから、旅館『鹿の湯ホテル』が空き店舗を改装してオープン!
現在は、週末の夜にワインと本のバーを営業中!
貸店舗として利用することもでき、1日の貸し出し金額はわずか1300円!
湯の山に興味がある若い人が積極的に貸店舗で試すことができるように低額におさえました!

こちらは来年、開湯1300年を迎える、菰野町の湯の山温泉です!
もうすっかり夜ですが、ちょっと気になるお店があるんですよ。
それがワインバー『BOOK&WINE』。
店内もとてもオシャレなんです!

 

ワインバー『BOOK&WINE』について、お店の池田奈桜さんにお聞きしました。

「こちらは『鹿の湯ホテル』の従業員が営業する、ワインと本が楽しめる大人なワインバーです。
空き店舗が目立つ温泉街を少しでも賑やかにしようと『鹿の湯ホテル』が物件を購入し、多機能なレンタルスペースとしてオープンしました。
そしてまず、ホテルが週末限定でお店をスタートさせたのです」

 

さっそくオススメのワインとお料理を。
飲みやすい赤ワインに、『紅茶鴨のスモーク』。
柔らかくて美味しい!
バルサミコ酢の酸味とスモークの風味がよく合っています!

 

『鹿の湯サロン』をレンタルスペースにした理由を、『鹿の湯ホテル』女将の伊藤寿美子さんに尋ねました。

「たくさんの方に湯の山でいろいろな取り組みにチャレンジしてもらえる場所を作りたいと思ったのが、一番の理由です。
しかし借り手がないままで空けておくと、また空き店舗になってしまうので、『鹿の湯ホテル』も今回、ワインバーを出店しました」

ちなみに賃料は、来年、湯の山温泉が開湯1300年を迎えることにかけて、なんと1日1300円!
1時間じゃありませんよ!
1日ですよ!

 

来年、開湯1300年を迎える湯の山温泉は、現在工事中の『湯の山大橋』や、新名神高速道路・菰野インターの完成を来年に控え、アクセスの環境が大きく変わろうとしています。
そう、大きなチャンスなのです。

 

『BOOK & WINE』のコンセプトは女将の伊藤さんがワイン好きで本好きであることから。
改装は『鹿の湯ホテル』の社員のみなさんが中心となり改装。
白かった壁を黒板にするなどのアイデアもみなさんで出しながら、一緒に作り上げました。

 

本は伊藤さんの私物や社員さんの私物、追加で購入したものなど。
紙袋に入っているのは、太宰治や夏目漱石などの、14ページの短編。
気軽に読めて、達成感も感じられるのでオススメですよ!

営業日は、毎週土日の午後8時から。
地元で暮らす人やホテルの従業員で大賑わいということで、手応えは十分のようです。

 

湯の山温泉街の涙橋までの道沿いに、他にも2軒、空き家や空き店舗を改装したお店があります。
その1軒が『カモシカ商店(資料館)』。

 

御在所岳の山頂にかつてあり、10年前に閉園したカモシカ専門の動物園、『カモシカセンター』の意思を受け継いでいくために作られた資料館兼、カモシカグッズを扱う商店です。

「カモシカについて書かれた資料やはく製などもあり、カモシカのことを学ぶならここに来れば全てがわかります」

と、店主の山岡亮さん。

 

2軒目は3年前にオープンした『涙橋ギャラリー』。
『涙橋ギャラリー』は、湯の山温泉をより知ってもらおうと、地元のアーティストの作品を中心に月替わりで展示。
毎年夏は、恒例となっている、ここ湯の山の『グリーン工房』の作品展を開催しています。

この3軒がとても近くに理由は『湯の山温泉街』の涙橋まで続く坂道の通り、つまりメインストリートを活性化させるため。
第1弾で3年前に『涙橋ギャラリー』がオープンし、次に『カモシカ商店(資料館)』がオープン。
そして今回、『鹿の湯サロン』のオープンとなったのです。

 

一方、昼間の『鹿の湯サロン』では伊藤さんと、同じく湯の山温泉の旅館『蔵之介』の女将である矢田麻里子さんが打ち合わせ中。

「秋に『鹿の湯サロン』を『女将の会』で利用するため、秘密の打ち合わせしているところです。
この素敵なスペースで女将みんなでお客さまをもてなすような『女将バー』みたいなのを考えています」

と、矢田さん。

普段はお客さんとゆっくり時間をとることができないため、この機会にお客さんや地元の人たちにも来てもらい、交流の場になれば良いとの思いから、10月に『女将バー』を開催予定とのことです。

「旅館の中で仕事をしていると、ここ湯の山で生活している人たちとの交流がありそうでなかったんです。
ワインバーをしてみて、週末に来てくれる地元の方々と交流を持つことで、暮らしている人たちの声をリアルに聞くことができ、良かったと思います」

と、伊藤さん。

女将とお客さん・・・。
そして同じ湯の山温泉で働く者同士の交流の場・・・
ありそうでなかった交流スペースが、湯の山温泉の可能性を大きく変えようとしています。

 

開湯1300年を目前に、また新たな第一歩を踏み出した湯の山温泉。
たくさんの人たちが集う温泉地を目指している、女将さんたちでした。