三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2017年10月29日放送

伊賀市阿保に去年の秋OPENした高齢者向けサロン『いっぷくしてだぁ~こ』は、阿保西部区の町づくり会が高齢者の見守り支援事業の一環として、地区で空き家になっていた古民家を借り受け運営!
コーヒーやお茶が一杯100円で楽しめる他、土曜日には地元の郷土料理「でんがく」の定食も限定20食で提供!
手作りの懐かしい味が人気を呼び、お年寄りらが話し相手を求めて足を運んでいます!

大和と伊勢を結ぶ初瀬街道にある伊賀市阿保地区。
古い歴史が息づくこの町で、地域のみなさんが憩いの場所として集まるコミュニティスペースが『いっぷくしてだぁ〜こ』!
空き家を借りて改装し、昨年11月にオープンしたこちらは、午前10時から午後4時まで営業。
定休日は火曜日と日曜日。
阿保西部区(あお・せいぶく)の町づくり会のみなさんが運営していて、コーヒーは1杯なんと100円でいただくことができるんです!

 

『いっぷくしてだぁ~こ』代表の大田節子さんに、このコミュニティサロンについてお聞きしました。

「私は民生委員をしていたのですが、お年寄りの一人暮らしが多いため、西部区の区長さんと相談して、みんなが寄ってきてくれるような空き家を探し、ここをお借りしました。
毎日来てくれるのはやっぱり一人暮らしの方たちですね。
年金生活の人はそんなにお金を書けられないし、友だちの家に行っても気を使って長い時間いられないんですね。
ここなら何時間いても良いし、誰かが話し相手になってくれます。
『いっぷくしてだぁ~こ』とは『休憩していって』という意味です」

「時間を気にせず休憩していってね」の意味の『いっぷくしてだぁ〜こ』なんですね!

 

開店1時間前の、午前9時。
この日の当番の皆さんが集まって開店準備です。
テーブルに飾る花も、スタッフの皆さんが庭で育てたものや、道端に咲く山野草で・・・お金をかけず手間をひまかけるのが、お母さんたちのモットー。
スタッフはみなさん、無給のボランティアです。

 

部屋のあちらこちらに散りばめられたお母さんたちの知恵と工夫。
これが、おもてなしです。

 

午前10時、『いっぷくしてだぁ〜こ』がオープンすると、さっそく今日最初のお客さんが、やってきました。
常連さんやグループでのお客さん。
なかなかの人気のようですね。

 

一方、厨房でも、お母さんたちはランチの準備で大忙し。
こちらでは、どうやらお豆腐を切っているようです。

「今作っているのは田楽です。
この西部地区に昔からお豆腐屋さんがあって、そこがこの田楽を作っていたんですね。
お豆腐屋さんはもうやめられたのですが、そこのお嫁さんが田楽作りを伝授足てくれたので、去年からお出ししています」

と、『いっぷくしてだぁ〜こ』の吉井節子さん。

 

慣れた手つきでお豆腐に味噌を塗るこの方が、そのお豆腐屋さんのお嫁さん、福井京さんです。

「もう30年も前のことですが、嫁いだ先がお豆腐屋でしたので、田楽を焼いていたんです。
昔のお豆腐を思い出したと言って食べてもらい、懐かしく嬉しく思っています」

 

お客さんに懐かしんでもらいたい、喜んでもらいたい・・・。
そんな思いを込めて『いっぷくしてだぁ〜こ』が復活させた、ふるさとの味・豆腐田楽。
こちらの手づくり豆腐田楽のランチは、毎週土曜日のみ、20食限定で提供しています。
この豆腐田楽が食べたくて、わざわざ遠くから来るお客さんもいるのだとか。
もちろん地元のお客さんたちにも大好評です。

 

「田楽のお味噌が来るたびに美味しくなっています。
スタッフさんも親切ですし、お客さんがたくさん来るので、みなさんとお知り合いになれるのが嬉しいですね」

「僕も一人暮らしなので、昼飯にこうやって一服でよばれるのが楽しみです。
ここは高齢化社の中で必要な場所と思うので、よく作ってくれたなと感謝しています」

と、常連のお客さんたち。

 

午後は伊賀市内にある和菓子店の店主を迎えて、『要石』というお菓子を作る講習会。

 

伊賀市阿保の『大村神社』の境内に鎮座する『要石』は地震を呼ぶ巨大なナマズを抑えているといわれ、『大村神社』は地震の神様としても知られています。
その『要石』にちなんだお菓子である『要石』は、伊賀市旧青山町にあった老舗和菓子屋『橋本瑞祥堂』で販売していましたが、現在お店は閉店。
サロンの運営をボランティアに頼っている中、運営費を生み出すために『要石』を復活し、イベントやお彼岸、お盆などで販売するようになりました。

 

『要石』は1個160円、8個箱入りは1480円で販売しています。

「初瀬街道でよそに持っていくお菓子と言ったら『要石』でした。
やっぱり昔からあるお菓子なので、これからもどこか行く時に持って行っていただきたいなと思います」

と、大田さん。

 

「今までは一人で家でテレビを見ていた人たちが、お店ができたことによって近所の人とお茶を飲みながらおしゃべりすることができ、週に一回は食事もできます。
同じような活動をしている他の地域とも連携を取り、良いところを学んでいきたいと思っています」

伊賀市阿保西部区自治会区長の坂倉秀光さん。

「平均年齢は70何歳ですが、とても生き生きし、若返った気がします。
今は空き家も多いし、空き店舗も多いこの地域ですが、ここ西部地区から少しでも発展し、賑わいを取り戻したいと思ってます」

と、大田さん。

『いっぷくしてだぁ〜こ』で、ちょっと一息。
阿保のみなさんと交流してみませんか?