2019年3月18日(月)、北勢市民会館にて「インバウンド向けの体験コンテンツの開発セミナー」が開催されました。

 今年の梅まつりでは台湾からの観光バスが4台来園され、市内ゴルフ場で海外からの利用が増加していることなど、いなべ市でもインバウンドへの取り組みを積極的に進めていく必要性に直面しています。

 これまで十数年、東京・中部・関西・沖縄の観光ツアーを手掛けてきた「株式会社JTB津支店」デスティネーション・マネジメント・プロデューサーの大田尚美さんに「インバウンドの現状」「いなべ市・菰野町の現状」「外国人に選ばれるためには」についてお話を伺いました。

 訪日外国人旅行客数は年々飛躍的に伸び、中でも中国・韓国・台湾・香港などの東アジアの方々が全体の75%を占め、そのうちの7~8割がリピーターのため、かつて旅行先として東京・大阪などの大都市が選ばれていたのが、ここ近年、地方へと観光先が移り変わってきています。旅行の目的も、今までの爆買い中心から、アウトドアスポーツや登山、農林漁業などの体験重視になってきている現状です。
 訪日外国人の方々の旅行での消費額については、現在は5年前の2倍超となり、10年後には4倍超となる予想がなされており、年齢別では20代後半から30代・40代の個人旅行が増えているとのことでした。

 中部エリアにおいては、セントレアを中心に名古屋市内は新しいホテルが立ち並ぶ一方で、三重県内には宿泊先やコンテンツに乏しいという現状が立ちはだかっています。
 今後は、インスタ映えなどの情報発信、交通などを含めた利便性・施設の言語・wifiなどの通信やインフラ、食事・宿泊・観光・体験などを整備・開発することで三重県リピーターを増やすことで経済効果が生まれる可能性を秘めています。

 いなべ市内においては特に「梅まつり」と「サイクリング」についての調査では、「梅まつり」については今後、wifiなど通信の整備、トイレの場所や撮影ポイントの外国語対応の地図、プラス料金で梅の下で抹茶が飲めたりなどの体験や梅関連のお土産を充実させ、もっと楽しめるコンテンツを増やすことが観光客を飽きさせず、リピーターを増やすことに繋がると提案されていました。
 「サイクリング」については、自転車レンタルが駅の周辺にはないという課題はあるものの、「サイクルトレイン」を中心にいなべ市独自の、大都市では得られない田園風景を自転車で巡る自然体験プランを設定し、桜並木を通るルートや町並み、立ち寄り箇所の設定・整備をすることで「サイクリング」がいなべの観光の核になっていく可能性も示唆されていました。

 世界中の方々にいなべの魅力を体験してもらいたいですね。