ロビー展「先人たちの軌跡-上北山村と尾鷲町を繋いだ生活道と鉄索-」

■開催日時

令和5年7月8日(土)~8月27日(日)

■開催場所

展示棟ホール

■内容

 尾鷲林業の発展を担ったひとつとして当地方独特の運材方法があげられる。それは索道や軌道、インクラインといったリレー方式で運ぶ方法が用いられたことだ。三重県南東部は紀伊山地の山々が沿岸部にまで迫り、その多くは入り混じった複雑な地形、深く刻み込まれた山間の谷で形成されるため、馬や牛などを利用しての運材や木馬(きんま)などの人力輸送には限界があった。明治末期以降、大量輸送の時代の到来とともに、当地方の林業家土井家が架空索道(鉄索)を導入し、その後、トラック輸送に代わる昭和30年代まで4路線が開業し、軌道と連繋して運材された。
  運搬路線の発着駅として栄えた三重県尾鷲と奈良県上北山村にまたがる又口地区は、町と村を繋ぐ生活道の中継地区としても重要な役割を担い、製材所や商店、私立学校が出来るなど林業従事者がおよそ600人常住した。
 本展では、土井家や高木家など地域の林業家が出資して敷設した柳ノ谷(りゅうのたに)索道軌道や北山索道について、紀伊山地の急峻な地形をいかに克服し、かつ上手く利用してきたのか搬送ルートや接続駅などから解き明かすとともに、現在でも奥山に残存する村と町の往来に使用した生活道について、我々の記憶から消えようとしている今、V字谷に刻んだ当時の職人の知恵と工夫、技術の数々を写真や解説パネルで紹介する。

■その他

関連イベント

新熊野学講座「先人たちの軌跡~上北山村と尾鷲町を結んだ生活道と鉄索」※8月5日(土)開催https://kumanokodocenter.com/events/230805-1/