第18回「サルシカ隊長レポート」2011年11月

家具作家、木工アーティスト、写真家・・・。
いま、三重県津市美里町にはいろいろなジャンルのクリエイターたちが集まりつつある。
そのクリエイターたちがみんなで工房を開放するイベントをやろうということになった。
名付けて「里山の工房めぐり」。
その後篇!完結

カフェ・ヒビコレでの昼食を終え、再び里山の工房めぐりへ。
やってきたのは、美里町穴倉の「稲垣邸」。



美里出身、名古屋在住のオーナーが築80年の古民家をアートギャラリーとして開放。
作品展示と販売がされていた。



○稲垣郁代の書の展示。
○勢和町在住の陶芸家・横山欣司の穴窯焼成による南蛮焼〆、粉引き、白磁などの器と
横山雅子の柿渋染や伊勢木綿の布バッグやウェアの販売。
○神奈川と東京から Deux AT:による絹やウールで織られたストールなどの販売。

それらの作品もすごかったのだが、築80年の邸宅の存在感があまりに強烈で、にわかカメラマンは家ばかり撮影(笑)。



はなはだ申し訳ないのである(笑)。

稲垣邸の詳細はこちら!



続いては美里から10キロほど離れた白山町へ。
杉林の中にひょっこりとあるのが、工房FROSCH。

家具職人・森下武司さんの作り付け家具の展示と、
ガラス作家・鬼木美保子さんのステンドグラス・ガラス小物販売が中心。

広い敷地にご自宅、工房、両親のログハウスがほどよい距離を保って並ぶ。
都会の人がイメージする「田舎暮らし」とか「里山の工房」ってこんな感じかも知れないな~と思う。



こちらではステンドグラスの教室もやっているそうなので、興味のある方はぜひ!

工房FROSCHの詳細はこちら!



里山の工房めぐり、初日の一番最後に訪ねたのが、美里町平木の「美里窯」。
国道163号を伊賀方面へ。
長野トンネルの手前を右に折れ、少し森の中をくぐったところにある。
津の一番端っこにある工房といってもいい。



この工房の主人で、作陶家の倉本 尚さん。
久しぶりの訪問であったが、この笑顔で招き入れてくれた。



倉本さんは津の市街からこの工房に通勤して作品制作に勤しんでいる。

イベント開催中のみ「土ひねり体験」を実施。
普段でも陶芸教室などの受付があるそうなので「美里窯」にお問い合わせを。

「美里窯」の詳細はこちら!



再び「里山の工房めぐり」に出かけたのは、最終日の11月13日(日)。
快晴。
実は前日の土曜日。
今回のイベントの関係者および美里住民が想像もしなかった人出で、それぞれの工房はパンク状態。
うれしい悲鳴があちこちで起こっていたのだ。

朝一番にやってきたのは、美里町家所の「尾崎カフェ」。
ここは「藁の家(ストローベイルハウス)」の家としてサルシカでも紹介させていただいたところである。

その尾崎邸が、土曜日と日曜日のみ、カフェとして自宅を開放。
薪ストーブの相談と、雑貨やドライフラワーなどの販売も行った。

「いや~、きのうは大変だった」と尾崎さん。サルシカの隊員でもある。
「100名を越えるお客さんに来てもらって、当日分のケーキどころか今日の販売分まですべて売り切れちゃって。きのうの夜追加を頼んだんですよ~」

ひえええ。
すごいお客さんの数ですね~。
一般の家でそれだけの数をおもてなししたっていうのがすごい。



しかしそれも、土間が広い作りだから出来たことかも。
本当は薪ストーブの炎を楽しんでもらうつもりが、あまりの暖かさに火を入れられず、尾崎さんは少し残念そう。



今回のイベント用にキッチンをカフェ仕様に改装したそうです。
もういつでもカフェをオープンできますね、との問いに、

「いやいや冗談じゃありませんよ。ホントにカフェをしちゃったら暮らすところがなくなっちゃうじゃないですか~」
と尾関さん。

というわけで、こちらは普段は一般のお宅なので詳細情報はなしで。



今度は美里町から芸濃町へずずずいと車を走らせて、家具工房ブラウンさんへ。
こちらは松岡浩二郎さんの家具工房。



松岡さんと奥さん。
なんと奥さんは、隊長のワタクシと同じ小学校に通っていたことが判明!
年もおんなじ!
おおおお、なんとこの三重県の世間はせまいことか(笑)。



イベント開催中は、
○LOTUSMILEのアロマとハーブの手作り無添加石けんの販売。
○SHURI’S Cookieの手作りクッキーの販売。
○白馬のカフェ ”せんじゅ”の自家焙煎コーヒー販売。
○湯谷純子の青空ヨガ。
と、盛りだくさんの催しが!

普段は工房にいないことも多いので、お越しの際は連絡をとのこと。

「家具工房ブラウン」の詳細はこちら!



やればできるもんだ。
ついに最後の工房に到着!!

美里町からだと、家具工房ブラウンさんへ行って、すこし戻ったところにある。
陶芸家・前田憲生の陶工房「草生窯」。



工房内には立派な登り窯がある。
年2回ほど火を入れるらしいが、その1回が数日前に終わったところで、まだ釜は温かく、中には作品が眠ったまま。

こちらはご夫婦で作品を作り続けている。
陶芸教室も開催しているので興味のある方はぜひ問合せを。

「草生窯」の詳細はこちら!

さて、一気にめぐってきた「里山の工房めぐり」。
いかがだったでしょうか。

これだけのクリエイターたちが集い、それぞれに活動している地域も珍しいかもしれないが、その人たちが力を合わせ、呼びかけると、想像を絶したすさまじいパワーを生み出すのだ、ということを全身で思い知った。

ものをつくるパワーはすごいエネルギーだ。
それを束にすると、地域すら動かしてしまうのだ。

美里町に暮らすワタクシとしては、ぜひ来年以降も続いていただきたいイベントである。
そして、みなさんとは少し違うかも知れないけれど、クリエイターの末席にワタクシも座らせてもらえるならば、ぜひ来年はサルシカ工房をオープンさせ、参加させていただきたいと真剣に考えている。

そうだそうだ!
そのためにも一刻も早くサルシカ秘密基地を完成させ、
念願のパン用の石焼釜などをつくるのだ!

というわけで、
ぜひみなさんも来年の開催を願って、里山の工房のみなさんに応援してあげてください!