地域おこしの一環で子どもたちと米づくりを行い、収穫後は稲わらを使って巨大わらアートづくりに取り組む『深伊沢地域づくり協議会』!
2023年の作品は全長5.5メートルのパンダ!
メンバーが2ケ月かけて手作りで製作!
2024年4月まで展示され多くの見学者が訪れます!
巨大な『わらアート』のパンダ発見!
ここは鈴鹿市の深溝町。
『わらアート』が展示されているのは深伊沢地域にある『深溝ライスセンター』。
多い日は500人以上の見学客が訪れる、一大人気スポットになっています。
そしてこのパンダ、とても大きいんです!
なんと、高さ5.5m、幅5.9m、胴回り7.8m!
立派な『わらアート』のパンダです!
「毎年、来ています。
年々、レベルアップしていると思います」
「鈴鹿市から来ました。
毎年、楽しみに来ています。
年賀状にさせてもらっているんです」
と、常連来場者のみなさん。
『深伊沢地域づくり協議会』のみなさんによる『わらアート』の製作と展示。
すでにはじまって4年になります。
もともとは地域おこしの一環で子どもたちといっしょにはじめた米づくりがきっかけ。
これまでに、ペンギン、かさじぞう、ふくろうが作られ、今回のパンダで4作目。
年々話題になり、たくさんの人でにぎわうようになりました。
「人が来てくれるような何かをやりたいという思いから『わらアート』につながりました。
つくるときに自分たちが集まってものをつくる。
そして、みんながお互いに仲間になっていく。
それが目的です」
と、『深伊沢地域づくり協議会』会長の名村一宏さん。
わらアートのパンダは米作りで出来た稲わらを使用。
足りない分は鈴鹿市内の稲作農家から調達。
メンバーがおよそ2ヶ月かけてつくりあげました。
『深伊沢地域づくり協議会』の舘宣一さんに、今年の作品『パンダ』について教えていただきました。
「パンダのポースは『歓迎』『いらっしゃい』の意味で、手を広げている様子にしました。
形をつくり出すのは難しいです。
模型と図面を見ながらつくるのですが。
なかなか、ここがどれだけと決めるのが難しいです」
「上に登って作業をしていると全然わからず、下の人に確認をとって決めていきます」
実はこちらの巨大パンダ、なんと中に入ることができるんです!
中はとても広くて、空洞になっています。
「全部わらでできていると思っている人が結構いて、これだけのわら大変ですねと訊かれますが、空洞ですからね。
それでも二反くらいの量は使っています」
と、舘さん。
中を見ることで、どれだけ大変だったのかを想像できるのも良いですね。
『わらアート』にはモデルとなる原画がありました。
地域の小学生からイラストを募集。
メンバーで審査して選ばれたものです。
それを鈴鹿市内の造形作家が立体化しました。
原画を描いたのは鈴西小学校6年の舘駿介さん。
「実物を観たことがなかったから、会ってみたいなと思って描きました。
選ばれてとても嬉しかったです。
実際のわらアートのパンダは、見た瞬間に『でっかいな~』と思いました」
模型を作られた上原正廣さん。
被っているヘルメットに動物愛が滲み出ています!
「元の絵のままでは作りにくいので、耳と手、足を変えても良いか相談して、OKをいただいて、爪と肉球を足して、耳の形も本物のように変えさせてもらいました。
動物の肉球は普通5つですが、パンダには7つの突起(肉球)があって、(竹などを)掴み易くなっているといわれています」
本当に動物が好きだということが伝わってきます。
『わらアート』に使うわらは収穫してから2週間ほどかけて乾燥したもの。
それを、道具の鋭い釘の部分を使って弱いわらを取り除き、硬い真っすぐなものだけに選別します。
これをすることで『わらアート』にしたときに、きれいに仕上がるそうです。
こちらの工程ではさらにここでも選別をして、しゃきっとした、ピーンとしてきれいなものを揃えています。
束ねたわらを麻縄でタペストリーのように編み上げる道具。
むかし農家で使われていたものを、メンバーが手作りで復元しました。
「道具がなかったら、こんなに硬く上手く縛ることができません。
がたがたになったり、緩み方が違ったり。
がたがたしていたり緩んでいると、本体に取り付ける場合に上手く取り付けることができないと思います」
わらはひと束ひと束、手作業で選別。
使う部位によっていくつかのサイズに編み分けます。
ちなみにパンダで使用されたワラは6千束以上!
気が遠くなるような作業をメンバーのみなさんはやり抜きました。
地域の子どもたちと米をつくり。
稲わらを使った、わらアートで人を呼び込む。
世代を超えて、地域全体で取り組む活動。
『深伊沢地域づくり協議会』のみなさんの取り組みは、来年以降も続いていきそうです。
「一昨年、子供たちにもきてもらって一緒に『わらアート』を作りました。
お父さん、お母さんにも来てもらって。
今後、そういった機会をもっと増やしていって、幅広く、層を厚くしていきたい。
私たちの目標は『いつまでも住み続けたいこの町、深伊沢』、これを目指しています。
住んでいて誇りに思うことができる深伊沢。
だから、作った時の喜びをみんなで分かち合える、地域全体で分かち合える。
そういう風になりたいと思っています」
と、名村さん。
『わらアート』の展示は今年4月まで。
ライトアップも一見の価値ありです!