就労支援施設で生まれた『夢の缶詰パン』が、発売3年で1万個以上売り上げ!
焼きたてのパンの風味をそのまま「ぎゅっ」と詰め込みました!
津市内のスーパーの『地産地消コーナー』で販売されている缶詰。
なんと中身は、フルーツ・コーヒー・チョコ・・・3つの味のパンで、その名も『夢の缶詰パン』!
可能な限り三重県産の食材を使用して、ひとつひとつ手づくりで作られているこのパン、3年前に発売されてから、なんと1万個以上が売れたという、まさに『夢の缶詰パン』なのです!
この『夢の缶詰パン』を製造しているのが、『社会福祉法人夢の郷 クローバーハウス』。
こちらは障がい者自立支援法に基づく就労継続支援のための施設で、一般企業などへの就職が困難な障がい者に働く機会を提供。
さまざまな生産活動を通じて、必要な知識と能力を身につけてもらうことを目的とし、自立に向けた支援を行っています。
現在、こちらに通う利用者は20人。
働き、学ぶことだけではなく、仲間とのコミュニケーションを楽しみ、自分らしく、そして人に役立つことを実感しています。
『夢の缶詰パン』を作ろうと思った経緯を、『社会福祉法人夢の郷』統括施設長 である又市婦美子さんにお聞きしました。
「施設内に設けられたパン工房で、無添加・保存料を使わないこだわりパンを作り続け、販売してきましたが、賞味期限があるため返品もありました。
そこで賞味期限にこだわらず、ずっと置いておけるパンを作りたいな、と。
さらに、もしもの災害時に『あって良かった』と言ってもらえるパンがあったら、という思いで、3年かけて開発したんです。
最初はイベントに出店したもののなかなか売れずに、大変でした」
こちらがその『夢の缶詰パン』の中身。
缶詰に入っていたとは思えないほど、ふっくらしています。
賞味期限は2年。
パンが2個入って、1缶400円です。
なんと、希望の写真などを使ったオリジナルラベルの作成も。
結婚式の引き出物や、企業のノベルティなどにも、定価で応じてくれるそうです。
こちらでは、今まさに『夢の缶詰パン』を作っているところ。
生地を伸ばして巻き、1個分の大きさに切り分けていきます。
『クローバーハウス』では、『夢の缶詰パン』の他にも、さまざまなパンを製造、販売しています。
パン工房でパンを焼いているのは施設職員のみなさん。
仕込みが朝4時と早いこと、火を使うこと・・・などの理由から、パンの製造自体は職員が担当しているのです。
利用者のみなさんが担当しているのは、焼き上がったパンのラッピングや、ラベル貼り、梱包、仕訳など。
さらにパンを定期購入しているお客さんへの、配達準備。
注文のパンのセットによってバッグの色を変え、わかりやすくしてあります。
パンセットの配達エリアは津市と松阪市の一部。
車を使用しての配達は職員が、歩いて行ける配達先は利用者さんが担当します。
「お客さんに届くパンを間違えちゃいけないので、気をつけて作業しています。
難しいけど、やりがいがあるので楽しいです」
「最初にパンを買ったお客さんが、美味しかったからとまた戻ってきてくれたりするので、嬉しいです」
と、利用者さんの声。
現在、『クローバーハウス』では一般家庭への配達のほか、さまざまなイベントに出店。
パンの美味しさ、みんなの情熱を積極的にアピールしています。
そして地元のスーパーや産直の店にも販路を拡大。
いままさに夢の缶詰が開かれようとしています!