『忍者』・・・といえば、世界から注目と観光客を集める伊賀の観光資産。
伊賀上野城にある伊賀流忍者博物館では、連日忍者ショーが開催され、国内外のお客さんを熱狂させています。

また昨年7月には、伊賀市と三重大学が「国際忍者研究センター」を設立。
伊賀流忍者の本拠地から、忍者を研究するネットワークづくりを世界に呼びかけています。

そんな伊賀市内、上野市駅のすぐ近くの複合商業ビル『ハイトピア伊賀』で、『伊賀之忍者衆・羅威堂』が、未来の忍者を育てる修業を行っていました！

『羅威堂』代表の有香さんに、グループを立ち上げたきっかけと活動の内容についてお聞きしました。

「忍者は世界的に有名ですが、意外と地元には興味を持たれていません。
そのため、忍者の高齢化・忍者不足が進んでいるんです。
やはり『伊賀の忍者』は忍者の中でもブランドなので、地元伊賀の人たちが中心となって盛り上げていかなければと。
若い人たちが忍者に興味を持つきっかけになればと、活動をはじめました」

メンバーは有香さんを入れて4名。

殺陣師の竜斗さんと、軽業師の兵助さん。

「伊賀ならば忍者の修業をして、忍者ショーや忍者の講師などプロ忍者としてお金を稼ぐことができる環境があると思います。
そのために僕らは窓口であり、見本であり、そして憧れでありたいと思ってはじめました」

と、殺陣師の竜斗さん。

「普段はパフォーマーとしてダンスを主にしています。
ダンスと殺陣というのは通じる部分はありますが、殺陣には殺陣の味がありますし、深いものがありますね」

と、軽業師の兵助さん。

もう一人のメンバー、夜磨杜さんは、地元FM局などのパーソナリティをつとめています。

「伊賀地域でいろいろと取材をしてきて、これからは恩返しをする頃かなと思い始めた時に、有香さんと竜斗さんから忍者のショーのチームを組むという話を聞き、加入させてもらいました」

『伊賀の忍者衆　羅威堂』は2016年8月に設立。
世界的な忍者ブームを支えようと、自らステージに立ち、華麗な殺陣アクションを披露。

その一方で、定期的に殺陣アクション教室を開き、若手忍者を育成に取り組んでいます。
殺陣の練習で手にしているのは木刀ですが、緊張感が漂います。
実際のアクションでは、小さなミスが大きな怪我につながるため、なんどもしっかりと基本の形を学びます。

参加者は「この先役に立つかも」とはじめた、お芝居を習っている中学3年生の女の子、殺陣の格好良さに憧れたという少女、少女と観に来たところ、自分もやってみたくなったというおじいさん・・・などなど。
いろいろな年齢の人が参加しているんですね！

殺陣の練習に励む参加者の中で、ひと際目立つ女性は、竹内舞さん。
アイドルグループSKE48の卒業生で伊賀忍者の萌えキャラ『伊賀嵐マイ（いがらし・まい）』ちゃんのリアルモデルを務めており、こちらのイメージソングを歌っています。

「忍者のみなさんがいる中で、私は立って歌うことしかできませんでした。
やっぱり忍者ならもっと動きをつけたいので、今日は参加させてもらいました」

と、竹内さん。

「世界一、知名度の高い萌えキャラを目指してください！」

と、有香さんも応援しています。

一方、こちらは伊賀流忍者の本拠地とも言える忍者博物館。
連日、伊賀忍者特殊軍団『阿修羅』による忍者ショーが開催されています。
ここに『羅威堂』のメンバーのひとり、竜斗さんの姿が。
竜斗さんは今、こちらのステージに立ち、鍛錬の毎日なのです。

そして『阿修羅』の代表を務めるのは、有香さんの師匠でもある浮田半蔵さん。
有香さんは『阿修羅』で3年の修業を経た後、『羅威堂』を立ち上げたのです。

「伊賀出身で彼女は忍者の末裔でもあるから、こういった活動はとても良いことだと思います。
伊賀の子として、忍者という文化をきちっと日本や世界に伝えていってほしいです」

と、浮田さん。

「世界のみなさんに伊賀の忍者を知っていただきたいという思いはありますが、拠点を移すのではなく、あくまで日本の活動をベースにしたいですね。
また『羅威堂』のレベルをどこに出しても恥ずかしくない、世界のレベルにあげていきたいと思っています」

と、有香さん。

激しく！　そして可憐に！
エンターテイメントとしての忍者の世界を、未来へとつなぐ『羅威堂』のみなさん。
熱い思いを秘め、きょうも修行にはげみます。