企画展「神島~つながり、つむぐ、海村のくらし」

■開催期間

2018年12月1日(土)~2019年2月17日(日)
※会期中の休館日は12月26日~30日

■開催場所

海の博物館 特別展示室

■内容

伊勢湾口に浮かぶ周囲3.9㎞、面積0.76km2の小さな島“神島”。三重県鳥羽市に属しますが、地理的には愛知県の渥美半島に近く、人口は現在350人ほどです。三島由紀夫の代表作「潮騒」の舞台(小説内では歌島)としても知られる風光明媚な離島で、豊かな自然、人間同士の繋がり、恩恵をもたらしてくれる海への感謝を示す儀礼・祭礼が、長い歴史のなかで受け継がれてきました。一方で、多分に漏れず漁業をはじめとした産業の衰退、人口の減少・高齢化などの課題も多く、存続の危機にある祭礼もあります。本展は、鳥羽市の小さな離島をフィールドに、むかしから変わらないもの、変わってしまったもの、失われつつあるものを多くの資料から概観することによって、日本人古来の自然と共に生きる暮らし方を再認識するとともに、今後の離島振興策を考える機会とするべく、企画しました。

①神島の地形と集落
地形模型や古い絵図、岩石標本などを用い、島そのものや人が暮らす集落の成り立ち、特性について紹介します。②古代の神島
考古遺物や古文書などから、神島に住む人々のはるかむかしの暮らしや、信仰、地理的な位置づけ・役割について考えます。
③神島と船のあるくらし
離島である神島にとっては、四方を囲む海は恩恵をもたらすものであり、他所と島をつなぐ道でもありました。港湾や灯台の整備、海難史、海上交通などについて、古文書や灯台レンズをもとに概観します。
④潮騒の島 神島と文芸
神島を舞台のモデルとして執筆された三島由紀夫の『潮騒』は、度々映画化され、現在でも多くの人を魅了し、神島の名をさらに広めました。三島氏本人や映画撮影ゆかりの品を通じて、潮騒の世界へと案内します。
⑤神島の祭礼 ~ゲータ―祭りを中心に~
大きなアワと呼ばれる輪を竹で高々と掲げる正月の奇祭“ゲータ祭り”を中心に、祭具などを用いて、自然の共生を示す神島の祭礼、信仰を紹介します。
⑥神島の産業・自然とこれから
漁具や古文書類、生物標本、様々な統計データから、漁業を中心とした神島の産業、豊かな自然と、島の現状などについて解説します。