FM三重『ウィークエンドカフェ』2022年2月12日放送

今回は名張市にある『土の香市場ハラペコあおむし』の店長、葛原結実さんがお客様。
お店には、生産者さんが丹精込めて作った野菜やパン、豆腐、お肉が並んでいます。

張に身体に良いものを売る店を作ろうと、母とその仲間がオープン

母がお店をはじめたのですが、そのときは母だけではなく、名張に良いものを安心して買えるお店を作ろうという、有志が集まってできたお店でした。
名前を決めるとき、一番弱い存在の『あおむし』という存在を名前に入れたいと言ってくださった方がいて、そこから「あおむしといえばハラペコだよね」となり、『ハラペコあおむし』という名を付けさせてもらいました。
名前の上に『土の香市場』とついているのは、土の香りがするような野菜を売ることができたら…という気持ちが込められています。
2002年なので、もう20年前ですね!
話し合いが始まったのがその頃で、2003年からお店らしくなりました。
私は当時、地元から出ていたので、たまに実家に帰ってくるとお店番をさせてもらったりしていました。
実際に働くようになってからは12年が経ちました。

 

元の農家とはアンテナを張って取引、愛農高校の卒業生からオーガニック野菜も仕入れている

添加物や化学肥料などを使わないものをメインに扱っています。
果物などはオーガニックで作れないものもたくさんあるので、特別栽培で極力安心して食べられるものを選んで販売しています。
親がもともと、そういうことをずっと、仕事ではないけど活動をしてきた人なので、私たちは家で玄米ご飯が出て来るのが当たり前という環境で育ちました。
ですから、日常食卓に並んでいたものを販売させてもらっています。
ここ近年、若い方が興味を持ってきてくださるようになったので、認知されてきていると感じます。
このお店の特色は、農家さんが環境に配慮して作ってくださったお野菜を一番の売りとしています。
お客様がそれをわかってくださって、お野菜と果物が一番良く売れます。
母の代からアンテナを立てて、こういう人がいるらしいよ…とか、紹介していただいたり、農家さんからこういうことをしているという提案があり、畑を見に行って取引するようになったり。
地元だけだと、どうしても野菜がない端境期が出てきます。
私の出身校である愛農高校の卒業生が全国に散らばって有機農法をしているので、先輩や後輩のつながりで、熊本や長野県から野菜を送ってもらうこともあります。

 

産者の性格が、野菜に出る

お野菜って、本当に農家さんの性格が出てきます。
几帳面な農家さんからは几帳面なお野菜が納品されるし、おおらかな人からはおおらかな野菜が送られてきます。
どれも美味しいです。
美味しいんですけど、農家さんの性格が出るなと、本当に思いますね(笑)。
これはお店をやっていて、とても感じることです。
お野菜って、大根1本100円とか、水菜1束100円とかで当たり前に売られています。
けれど、寒い冬に寒い畑から抜いてきて、冷たいお水で洗って…袋に入るまでにいくつもの工程があります。
私たちも袋詰めされたものをだけをもらっているわけではなく、土のついたものなどもいただいたりします。
こちらで袋詰め作業をするのですが、小松菜や水菜も外の葉っぱを掃除して、たくさんの葉っぱの中から、本当にきれいな一部が商品になります。
そういうことをしていると、野菜はもっと高くてもいいのでは…という気持ちになります。

 

客様と生産者をつなぐ場所

毎週水曜日と第2土曜日に『里の市』という、小さな市を開催しています。
普段は私たちが農家さんの代わりに販売していますが、造り手さんとお客さんが直接会ってほしいという思いからはじめました。
里の良いものなどを使って料理をした農家さんに出店していただいて、寒い日も暑い日も、毎週水曜日と第2土曜日、お店の横でマルシェを行っています。
朝からまず、天気を気にします。
寒そうだなとか暑そうだなとか、いいお天気だな、とか。
並べるものがお野菜なので、年中同じものがあるわけではありません。
ブロッコリが出てきた、もう終わっちゃうとか…ずっと旬を感じています。
農家さんからは、面白いというか、私たちでは思いつかないような料理が出てきます。
多国籍の料理だったり。
勉強になるし、毎週食べても美味しいものばっかりです。
その分運動をしております(笑)。
焼きたてのパンなど、美味しいものがたくさんありすぎるので、主催者側やスタッフが一番楽しみにしているのかもしれません。
楽しんでやっているのが、続けていられるコツなんだろうなと思います。

私たちのお店が楽しければ良いということではなく、地域に貢献できることが喜びとなると、最近特に思うようになってきました。
だからこそ、地元で頑張っている人たちをもっと知りたいですね。

今、『ハラペコあおむし』の隣では増築工事が行われています。
新しいスペースは、みんなで作っていく場所。
いいもの、いいことが溢れる場所です。