いなべ市の『国指定天然記念物ネコギギ(淡水魚)の川での復活を目指して』と題した取り組みが「第25回 日本水大賞」の環境大臣賞を受賞しました。
先月6月13日には秋篠宮皇嗣殿下ご臨席の下、表彰式・活動発表会が日本科学未来館にて開催されました。
いなべ市教育委員会の後藤健宏さんが、ネコギギ保護活動が開始してからこれまでの取り組みを発表しました。
ネコギギは愛知県・岐阜県・三重県のきれいな川にのみ生息する魚で、昭和52年には国の指定天然記念物に指定されています。
ところが、台風などの自然災害や災害復旧工事等の河川改修、堰堤等の設置などにより、平成に入ってからは激減し、絶滅する危険性が高い状態であることから平成10年に水産庁の絶滅危惧種とされ、平成15年には環境庁においても絶滅危惧種IBと選定されました。
そこで緊急的措置として「員弁川水系ネコギギ保護増殖事業」が平成15年(2003年)に開始され、ネコギギ保護に取り組んできました。
ネコギギの数が増える対策としていなべ市の教育委員会を中心に、大学教授等の専門家から指導を受け、研究機関等とも連携し、員弁川水系由来のネコギギを水槽で飼育し、放流・保護活動を進めてきました。
その中で、魚の生息できる河川になるよう関連行政部局なども協働してきました。
今回の受賞は、こうした十数年間に渡る各機関が連携した取り組みが高く評価された結果となっています。
また、地元の十社小学校や水産高校での環境学習など、地域に密着した活動が広がりをみせています。
なお、「藤原岳自然科学館」では『ネコギギ』を多くの方に知っていただくことを目的に『ネコギギ』を飼育・展示しています。
※平成15年度に三重県教育委員会が「ネコギギ保護増殖事業」を開始し、平成18年度から文化庁の補助を受けて、いなべ市が事業を引継いで活動しています。
写真 いなべ市教育委員会 生涯学習課・藤原岳自然科学館より

【お問い合わせ】
藤原岳自然科学館
TEL 0594-46-8488
 
 
 

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