三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2018年1月21日放送

住民の高齢化が進む松阪市南部の漕代地区で、「ひとり暮らしの高齢者を支援していこう」と昨年6月に立ち上がった『まかせて!!漕代支援隊』!
メンバーは地元自治会を中心とした住民有志。
ひとり暮らし世帯では、なかなか対応できない「庭木の剪定」「草刈り」など、地域の困り事を有償ボランティアで助けています!

今回ご紹介する松阪市の東に位置する漕代地区は、明和町に隣接した地域で、閑静な住宅地が広がります。
こちらの地域でも、問題になっているのが「住民の高齢化」。
ひとり暮らしの高齢者も増え、あわせて、そうした方の困り事も増えています。

 

そんな漕代地区で、去年6月に活動を始めたのが『まかせて!漕代支援隊』のみなさん。
庭木の剪定や草刈り、家の掃除や買い物など、ひとり暮らしの高齢者が困っていることを有償ボランティアでお手伝い。
地域で共に生き、助け合い、心を通わせる活動をしています。

 

『まかせて!!漕代支援隊』隊長であり、漕代地区自治会連合会会長の岡田賢一さんに、隊ができた背景をお聞きしました。

「私が自治会長になってから4年目に、何か地域のお役に立つことをしようと、自治会・地元福祉会・民生委員などの住民有志が集まり発足しました」

 

漕代支援隊の母体は、漕代地区の7つの自治会。
去年6月から支援サービスを始めました。
現在は活動しているのは22名。男性14名、女性8名です。
サービスを利用できるのは、65歳以上の一人暮らしの方。
利用料金は、1時間当たり500円。
利用者が気を使わなくて済むように、あえて有料にしています。

 

この日の作業は、庭の剪定のようですね。
手慣れた様子で、作業を進めるみなさん。

「私も支援できるまでは、自分で支援させてもらって。
自分ができたくなったら誰かに支援してもらわないとならないので、健康のためにもやっています」

「今しているのはサルスベリの剪定。
昔は電気屋だったので、脚立に乗るのは慣れているんです。
退職後に、この活動に入りました」

「こういう作業は好きなので、苦になりません。
お手伝いできて喜んでもらって、利用者さんから『ありがとう』と感謝の気持ちで、笑顔を見せてもらうのが、我々には一番良い薬です」

と、『まかせて! 漕代支援隊』の小山賢さん、阪井一人さん、村田祐一さん。

自分の好きな作業をして、誰かに喜ばれるなんて素晴らしいですね。

 

依頼者の池部里美さんは、今回で5回目の利用。

「一人暮らしなのでとても助かっています。
今日は庭の剪定をしていただきましたが、ソファなど、不要となった大きな家具などを捨てる作業などもしてもらえるのでありがたいです」

 

それでも依頼される仕事の多くが「庭木の剪定」ということもあり、プロの庭師を呼んで、勉強会を開くなど地域のニーズに応えるための努力もしています。

 

漕代公民館の中に設置された『漕代支援隊』事務局。

「漕代公民館館長の村田です」

あれ?
先程の剪定作業の現場でも姿を見かけたような・・・。

「実は『漕代支援隊』の副隊長も兼任しているんです。
つまりここは公民館でもあり、事務局なんです。
依頼は電話、または依頼者が直接訪ねて来たり、友人を通して連絡が入ったりです。
立ち上げ当初は以来が来るのか不安でしたが、今のところ20件の申し込みがあり、会員の方々も夏は暑い中、冬は冷たい中、作業に励んでくれています」

会員それぞれの得意分野を活かし、事務局が依頼内容とのマッチングをしながら割り振り作業しているので、現在までトラブルもないそうです。

 

続いて『漕代支援隊』の隊長と副隊長に案内してもらったのは、これまでに依頼を受けたお宅。
こちらでは、去年の10月、台風で壊れた「倉庫のひさし」の修理を引き受けていました。

「この白い部分が直した部分です。
あったものを利用し、なるべく自分でできることはするようにしています」

 

依頼者の秦喜久子さん。
台風の後、「ひさし」の修理だけでなく、庭の片付けなども漕代支援隊に依頼しました。

「直してもらってホッとしました。
台風の後はこのあたりに波板や木片が散乱していたのですが、普通の業者に頼んでも、すぐには来てくれませんでした。
すぐに直してほしかったので『漕代支援隊』に連絡をしたら、翌日すぐに来てくれました。
甘えてしまい、申し訳ない気持ちになったのですが、
『そんなこと気にしなくてもいいんですよ、どうせ、私たちが年を取ったら
若い人の世話になるのだから、お互いさまです』
と言って下さったので、とっても気が楽になりました」

と、秦さん。

「お互いさまという気持ちで始めたので、今、言ってもらった通りです。
秦さんには、もっと長いこと、この地域に居て欲しいですから」

「これぐらい、我々に力強い言葉はございませんし。
本当に、我々
やっていて良かったなと。これからもどんどん、やっていきたいなという
気持ちが湧いてきました」

と、岡田さんと村田さん。

 

「漕代に住んでいて良かった。」
そう心から思える、そして、思ってもらえる地域にしたい。

住民が互いに支え合う『漕代支援隊』の取り組み。
それは「感謝の気持ち・ありがとうの言葉」で支えられています。