FM三重「ウィークエンドカフェ」2012年6月23日放送

今年もこの季節がやってきました。
「銚子川を天の川に」をコンセプトとした、『きほく七夕物語』。
というわけで今回のお客様は、『きほく七夕物語』の実行委員長、関口省吾さんと企画委員長、奥村仁さん。
奥村さんがカフェに来てくれるのは2度目です。
素敵なポスターを持ってお越しいただきました。
今年の『きほく七夕物語』は7月7日に開催予定ですよ!

■雨が降っても『願い星』を流す時間は必ず晴れる!

関口
今年は東京のスカイツリーの横で『東京ホタル』なるイベントを開催したらしいですね。
それを聞いたスタッフが、「負けるものか」と。
エライ時に実行委員長になっちゃたな、と。
でもみんな色々考えてくれているし、ありがたいと言えばありがたいです。
今年は『東京ホタル』に勝つんじゃないんですか(笑)

奥村
雨が降らなきゃいいけどね。

関口
いやいや、雨は多分大丈夫。
『きほく七夕物語』は今回で6回目。
5回目から私が実行委員長をやらせてもらっています。
第一回目が7月7日で、6回目でようやくまた7月7日…七夕の日に開催となりました。

それでいつも、お天気は毎回微妙なんですよね。
でも悪運が強いというか。

奥村
そう、丸一日、気にせず晴天だったのは1回だけだね。
あとは雨がパラパラ降る中、もしくはザーザー降りの中。
でも、(LEDが入ったカプセル)『願い星』を流す時間だけはスカッと止むんですよ。
僕が実行委員長を務めている間は、そうでしたね。
日頃の行いですかね(笑)

関口
去年は4時くらいに降り始めて…7時から流し始めるんですが、6時半にはピタっとやんだ。
銚子川にはきっと、不思議な何かいるんですよ(笑)
以前、尾鷲と紀伊長島が土砂降りで雷が鳴っていた時も、海山の方だけ降っていない。
だから尾鷲と長島のスタッフから「こんな雨でもやるの?」と電話が来たくらい。
峠を一つ越えると違うんかな。

奥村
ホントに奇跡のような6年間でしたよ…。

関口
どういう意味?奇跡のような雨?(笑)


■ロマンチストが『きほく七夕物語』を生み出した!

奥村
最初はろうそくを流そうと思っていたんですよ。
それを言ったら、ろうそくなんか流れるか!と反対されまして。
行灯のイメージだったんですけど、銚子川はけっこう流れがあるので無理だろ、と。
でも、川面でキラキラキラっと光る流れが綺麗なのでは…と、想像していたんです。

関口
最初、奥村くんが実行委員長で始めた時は、まさかこんな綺麗に、幻想的になるとは思わなかったね、多分本人も。
成功したので、「見たか!」って感じだったけど、失敗したら尾っぽ巻いて逃げようって気もあったんじゃないですかね。

奥村
最初の試作品はタッパーでしたもんね(笑)
百均でたくさん買ってきて、電球ねじ込んで。10コくらい流してみて。
「これイケるなぁ」と。
最初はそれで喜んでいました。

関口
僕は、奥村くんのロマンチストに引っ張られた形で。
来いって言われたので行ってみたら、そのまま引きずり込まれたというか。
奥村くんが自分で楽しみたかっただけじゃないですか(笑)

奥村
いやいや。
しかし良くみんなが協力してくれていると思いますよ。
当日は150人を越えるスタッフが集まるんです。
実行委員会のメンバーは3日前からテストを行い、安全にイベントができるかを確認します。
漁協のみなさんには、冷たい川の中に入ってもらい、『願い星』がきれいに流れるように調整してもらってね。
『きほく七夕物語』には、たくさんの人の想いが集っているんですよ。

関口
その熱意で、紀北町の風物詩として定着しつつあるのか、毎年少しずつお客さんは増えていますね。
去年はかなり多かったですよ。

奥村
実行委員会としては、雨でお客さんが減るのが一番心配です。
朝から土砂降りだった去年と一昨年は、本当にお客さんが来るのかな、と思うほどでした。
しかしこの地域の人はともかく、県外からも来ていただいて、そんなに減っているという程ではありませんでした。
ということは、朝から天気が良くて、絶対開催できるという状況ならば、もっともっと増えると思いますね。

関口
しかし来場者が増えて欲しいと願う反面、現場というか、会場自体の設備が整っているわけではないので、どこまで来場者を増やして良いのか…。
例えば、町の行政が絡んで開催するものだったら、設備等もちゃんとやって行こうとなりますよね。
でも僕らは、自分のやりたいことをやりたいように…ある意味、気ままにさせてもらっているんで、これ以上増えたらどうする?という気持ちもあります。
そして増えたら色々困ることが出てくるだろう、と思いつつも、やはり増えて欲しい気持ちが大きいですね。


■県内の「明かりイベント」とコラボレーション!

関口
去年の秋、伊賀市で開催された『明かりサミット』というのに招待されてまして。
こういう明かりを使ったイベントというのは、全国各地で、けっこう行われているんですね。
竹を割ってろうそくを灯すとか。
北海道で開催しているのは、やはりものすごく規模というか範囲が広くて驚きました。

これまで『きほく七夕物語』は『紀北』と付くようにここだけでしていたんですが、去年は、この『明かりサミット』で仲良くなった『赤目四十八滝』の12月25日のクリスマスイベントに、紀北の明かりを灯させてもらいました。
200個ほど浮かべて。
今年は菰野町の三滝川からも、お話が来ています。
これからは、『明かり』がそういう形で県内に広がっていくと良いな、と思っています。
紀北だけじゃなく、みんながやりたいような形で、その地域にあった形でやってもらえたら、また、それを手伝わさせてもらえたら、ありがたいですよね。


■『きほく七夕物語』を通してこの地域の大切さを感じて欲しい!

関口
ここにみんな、夢を持ってくるわけですよね。
だから、僕がみんなに方向付けるのは良くないな、と思っています。
なので、スタッフの人にも地域の人にも、多面的に、この『七夕物語』を見てもらって。
とにかくみんなが色んな夢を持って、この日に集まり、その人たちが満足して、明日につながる紀北町が作れればなぁ、と…そんな夢を持っているんです。
みんなが『きほく七夕物語』をベースに、いろんな物語を作ってもらえれば、と。
「こっちの方向性に」と一つの固執するのではなく、もっとぼやっとして、みんなが色んな夢を描けば良いと思うんです。

例えば、この地域の自然の大切さとか、残していかなきゃいけない大事なものを考えるとか。
例えば、物産スペースで、紀北町の良い物をどんどん発見してて売り出して行こうとか。
例えば、親子連れで訪れて、みんなで綺麗な光景が見られて楽しかったね、と。

どれも代えがたい夢ですよね。
そういうものが幾重にも折重なって、この銚子川が天の川のようになり、夢がいっぱい詰まっとったら良いなと思っています。
…ちょっとロマンチストですかね。

奥村
最初の年からの考えとして、『天にも天の川、地上にも天の川』というのがありまして。
ここの天気はなかなか難しいですが、天気が味方してくれたら、こんなに美しい光景はないんじゃないかと思いますね。
それくらい、忘れられない眺めですよ。