FM三重『ウィークエンドカフェ』2023年4月22日放送

今回は『松阪おもちゃの病院』の代表、おもちゃドクターの千原利勝さんがお客様です。
会の活動は17年前から。
『松阪こどもの城』と『松阪ボランティアセンター』で、おもちゃの修理をボランティアで行っています。

級生を中心に4名でスタートした

定年で61歳のときに私と、同級生4人が、なにかしようかと。
たまたまそこの代表をしてもらった人が、中学校の校長を最後に定年したので、子どもたちに役立つことをということで、始めました。
この近くの粥見という地区に小さな学校があり、そこで卒業した8人が色々騒いでいたもんで、その中から集まりました。
その中の2人と、来ていた女性軍2人の旦那さんを交えて、4人でスタートしました。
今いるメンバーも学校の先生やサラリーマン、いろいろな業種の方が好き寄りというんですか、好きな人が寄ってきました。
修理の内容も偏っていますが、数をこなしているとわかってくるものもありますもんで、おかげさまで喜んでもらって、来てもらっています。

 

ラレールやぬいぐるみの持ち込みが多い、最近のおもちゃは複雑

比較的多いのは、プラレールですね。
それからぬいぐるみ関係、音が出るおもちゃ、光が出るおもちゃ。
だから無線の自動車を持ってきたりと、範囲が広いですね。
プラレール一つをとってみても、最近のプラレールは昔のとはとは違い、大変複雑で直しにくくなっています。
とても進化しています。
基本的には、映像とか最近のおもちゃは難しいため修理しないようになっているのですが、できるだけ直すように努力はしています。
ただ、直らないのもありますね。
特にぬいぐるみ関係では、ここに来て、ちょっと時間がかかるから入院となると、泣かれるお子さんもいます。
夜でも離さないで寝ている子もいるんですね。
そういうことで、できるだけ早く直す、時間内に直すことを心がけていますけど、部品を手作りで作らないと行けない場合もあります。
その時は持ち帰って入院してもらい、百均やホームセンターで物を買い集めて直しているのが現状です。

 

人の方も大切なおもちゃを持ってくる

大人の方が、昔お父さんに買ってもらったオルゴールが壊れたから、ちょっと見てほしいと持って見えました。
見たら、油切れ、それからホコリがたくさん入っていただけだったので直しました。
その時時間があったので、箱もキレイに磨いて持ち帰ってもらいました。
そうしたら、その方がとても喜ばれて、子どもさんだけでなく、大人でも修理して欲しい人がいるんだなと思いました。
一昨年でしたかね、12月のクリスマスのときに踊るサンタさんの人形を80代の老夫婦が持ってこられました。
おもちゃの病院の会場まで上がってくるのに120mくらいあります。
ふうふう言いながら上がって来られました。
踊るサンタだから子どものおもちゃと違うけれど、直してほしいと。
私の家の近くだったもので、家に届けるからと持っていって、その場で直したらうまく動きました。
その時は感激して、二人で手を叩いて喜んでもらいました。

 

ンバーもやりがいを持ってくれている。直す方も嬉しい気持ちでしている

メンバーは現在15人です。
人と接することによって、我々自身も新しいアイデアをもらったり、新しい方と接することによって、また新しい輪が生まれるということもあるので、体力が続く限り続けたいと思います。
おかげさまで、継続は力ということと、ボランティアだから続けられたということもあるんですね。
これが有料だったら採算が合わないと思うんです。
修理で4時間も5時間もかかるものもあります。
中には電池がなかっただけで、すぐに直るものもあります。
しかし、それを家で仕上げるということで、本人も楽しみだし、遊んでいる時間をそこに費やすことができるということで、本人さん自体も生きがいを感じて『直してやる!』というのを求めてね。
だからお互いにプラスになるのだと思います。
生涯、全員がこのおもちゃの病院のドクターですよということで、みんなに連絡しています。

喜んでもらう姿がなにより。
子どもさんの「おじいちゃんありがとう!」と言ってくれる笑顔が、いつも心の中に残っていますね。