三重テレビ『ゲンキみえ生き活きレポート』2024年1月21日

志摩市の特産品「きんこ芋」づくりに励むお母さんグループ「芋の館 きらら」。
自家栽培の芋にこだわり、きんこ芋づくりを始め、約40年に亘り活動を続けている。
店頭に並ぶとすぐに売り切れてしまう「芋の館 きらら」のきんこ芋の美味しさの秘訣は「志摩の海の潮風」と「仲間との絆」。
お母さんたちのおしゃべりと笑顔溢れる工房から、志摩の冬の味覚をご紹介!


鳥羽駅前にあります、鳥羽や志摩の海産物・農産物が集まる産直市場「鳥羽マルシェ」。
産直市場の他に地元の郷土料理が味わえるビュッフェレストランなどもあり、観光客の方や地元の方で賑わっています。


そんな鳥羽マルシェに、今回のゲンキさんたちが手間ひまかけてつっくった人気の郷土食があるんです!
それが「きんこ芋」!!
つやっつやで美味しそうなきんこ芋!べっこう色で鮮やか!!

「きんこ芋」はさつまいもの一種である「隼人芋(はやといも)」を煮切り(にきり)して、自然乾燥させた「干し芋」のこと。
名前の由来は、その形が干したナマコ・・・「金んこ(きんこ)」に似ていたからだそう。
志摩地方では古くから、海女や漁師の「おやつ」として親しまれてきたんだって。



志摩市阿児町の国府(こう)にある伊勢志摩の郷土食「きんこ芋」をつくっている「芋の館 きらら」さん。


ハウスの中ではみなさんが皮むき作業中。手作業が素早い!!
原料の隼人芋(はやといも)は、自家栽培したものを使用。
「隼人芋(はやといも)」はきんこ芋の原料となる芋で、温暖でやや痩せて乾燥した土地での栽培に向いているそう。
甘みが強気ねっとりした食感が特徴!
外の皮は捨てて、オレンジが出るところまで皮剥くんだって。




芋の収穫は10月の初め頃から11月初め頃。
その後1か月程寝かせ、甘みが増した状態で加工作業に取りかかります。



「綺麗に剥けるようにように、オレンジが出るように気をつけています。」
「芸能の話とか政治の話とか年金の話とか、いろんな話をして楽しいです。」
「寒くなって、風が吹いて、きんこ日和になるといいなと思いながら通勤してます。」
「外に並べてきんこに艶が出て綺麗になってくると嬉しいですね。」


「芋の館 きらら」の代表である森川まさるさんは結婚して移り住んだ志摩で、初めて口にしたきんこ芋の味に衝撃を受け、自分でも隼人芋の栽培を始めたんだって。
出荷できない芋を使い自己流できんこ芋を作り始め、その後、地元の年配者の指導を受け、工房を設けて仲間と共に本格的にスタート!!
2001年に大釜を導入し、大量の芋を炊くことが可能になり、メンバーも当初の4名から10名に増員したんだって。

「私、岐阜県出身ですので全然知らなくって・・・。
ほんとにきんこを初めて食べた時に、わぁ!おいしい!と思って。
みんなで志摩一番の美味しいきんこを作ろうっていうのを目標に、一年一年積み重ねてきたっていう感じです。」
と森川さん。



炊き上げる際に使うのは水のみ!
砂糖や甘味料は使わず、さつまいも本来の甘みを大切に製造しているそう。
シーズンの初めに試し炊きをし、その時に出たゆで汁に継ぎ足しをしながら芋を炊き上げています。
干し芋は全国的には蒸して切って干す作り方が主流だけど、志摩地方は炊いて切って干す流れが伝統的な作り方なんだって。


厚さ1.5cm程度を目安に炊いた芋を切り分けるのが基準。
だけど、近年は暖冬の影響で乾きにくく、天候・気温等を考慮しながらその都度対応しているんだって。



志摩の海からの風と太陽の光が、甘くて美味しいきんこ芋をつくる!!
10日から2週間程かけて天日干しし、その間には干した芋を表・裏、交互に裏返す「手返し」の作業を行うそう。
干していくたびに色が濃くなっていくんだって。
丁寧に丁寧に作られています。


休憩タイム。
「毎日、ここに仕事というより喋りに来ています。」
「きんこのシーズンが終わると旅行に行くんです。励みになって作業を一生懸命しますね。」
「このきんこ、美味しいなとか言ってもらえるとやりがいを感じます。」
「仕事へ毎日キチキチと出勤できるということは健康にもいいし、楽しいので、すごくいいです。」
みなさん、とても楽しそう。


自分たちで作ったきんこと、甘夏ピールを使ったパウンドケーキ。週一回鳥羽マルシェへ出荷しています。
他にも食用の芋を使った蒸しパンとかクッキーなど20種類ぐらい手づくりのお菓子を作って鳥羽マルシェで販売しています。


「いい仲間に囲まれて、やってこれたなと思って本当感謝しております。
長いこと続けてこれたのはやっぱり1年1年、今年こそは今年こそはと思ってやってきたことの積み重ね、正直に一生懸命やるっていうことだと思います。
きんこを作ってきたことによって、本当に人生の広がり、いろんな人と出会いがあって、勉強させてもらって。
自分を育ててくれたのはきんこかなと思ってます。」
と森川さん。

志摩のきんこ、美味しいよー!!

「芋の館 きらら」のきんこ芋は、鳥羽マルシェで販売中です!
お買い求めはお早めに!!