FM三重『ウィークエンドカフェ』2013年6月29日放送

今回のお客様は、『三重県商工会女性部連合会』会長の谷口ちほせさん。
三重県商工会女性部連合会は、24の三重県内の商工会に所属する女性のみなさんで構成されています。
現在女性部の県内の会員は2761人。
そのリーダーが谷口ちほせさんです。
みんな仕事に対して、町のことに対して一生懸命取り組んでいる仲間たち。
谷口さんの大切な人たちです。

6-29-2

■みんな責任感が強い!女性部の取り組み!

私は今、三重県の商工会女性部のリーダーを務めています。
三重県は北勢、菰野、津、伊勢、志摩、紀和町・・・と、とても長く伸びています。

会議をするのは津市なので、なるべく早く、午後3時半には終わる必要があります。
一番遠い人で、約3時間かかるので。
高速で10分ほど時間が短縮できるようになったとはいえ、やはり遠いですし、部会では、そのあたりの時間配分がとても大変です。

三重県全体を通して見えるのは、その土地々々によって、行なっている行事やイベントに対してお手伝いする内容や姿勢が、みんな違うということ。
でも一つ共通して言えるのは、みなさんの責任感の強さ。
これには本当に感心します。

年に1回開催されている『主張発表大会』というのが、今年は7月9日にあるんですが、去年から青年部と合同で行なっています。
若者の意見、お母さんたちの意見をお互いに聞きましょうということで。

毎年5人に、それぞれの自分の商売に対する思いや、商工会女性部に入ってよかったことなどを発表してもらいます。
それを聞くのが、毎年とても楽しみなんです。
みんな私より若い方ばかりなんですけど、自分の商売に取り組む姿勢がしっかりしていて、感心しますよ。

それから、東日本大震災が起きてから、全国商工会女性部連合会で、500円玉募金を3年間続けたんです。もちろん今も続けていますが。
全国で4千万~5千万貯まるので、それを被災者のところへ送っています。
そこからお礼状をいただいたり、直接声をかけていただいたりすると嬉しいですね。
小さなことですが、輪になってするということは、なかなかできることじゃありません。
500円出そうと思っても、その持って行き場所やまとめ場所が必要でしょ。
商工会に入っているから全国につながっていけるんですね。

小さな商売人同士が、苦労話を語り合ったり、お互いにいい方法を探したりと、仲間同士が支えてくれる。
商工会はそういう場だと思うので、商売されている方で、まだ入っていない方は是非仲間になっていただきたいですね。


6-29-3

■錦は本当に良いところ! たくさんの人に来てほしい!

私は、大紀町錦の『錦トロピカルガーデン』の2階で山花灯というお店を経営しています。
トロピカルガーデンに来られる方は、大阪とか・・・三重でも桑名や松阪が多いですね。
マイカーで来られた方が、国道42号に看板が出ているのを見て、
「トロピカルガーデンってどんなところ?」
と来られるので、夏はここ泳げますよ、と宣伝させてもらっています。

毎年、花見時期に2~3回、3月4月や10月頃、大型バイクで団体で来られて、
「おばちゃん、また来たよ~」
と馴染みになっている方もいます。
その人もけっこうおじちゃんなんですけど(笑)

一回来ると病みつき。
ここは本当に絶景。
南国やね~トロピカルだね~って。
だからトロピカルガーデンになったんですけどね。

お客さんが多いのは、圧倒的に夏。
というか、夏だけです。

でも本当に風光明媚だし、人情もあるし、隣のウチも自分のウチと同じように、おはよう、こんにちは、って言えるような町なので、とても住みやすいです。
錦は、私にとっては生まれ育った町で、とても愛しています。
漁師の家に生まれ漁師の家に嫁いだ、生粋の錦っ子です。
昔は、市場にブリがいっぱい揚がったり、本当に朝から夕方まで魚に囲まれているような生活が、ずっと続いていたんです。
でも最近は漁師さんや船自体が少なくなり、若い人がほとんど外に出て行く。
それだけ生計を立てるのに魅力のない町になってしまったのかな、と思うと寂しいですね。

だからこそ一年通して「土日はあそこへ行ってみたいな」という何かを、いつも考えています。
とにかく過疎地にしたくない。
お年寄りが多い町になってきたので、若者が戻ってくる町にしたいですね。


6-29-4
■オリジナルの防災用備蓄保存パンを県内で販売!

最近の取り組みは、防災用備蓄保存パンを販売したこと。
県内の商工会女性部で、3万個売りました。

販売したきっかけは、東日本大震災。
あの時は、防災用の食料が届くところばかりじゃなかったようなんです。
自分自身が福島へ行き、小さな集落を訪れて話を聞いたところ、1週間救援物資も食料も届かなかったと。
近隣のみんなで米やらを持ち寄って、1週間過ごしたそうなんです。
実際、その方も商工会の部員さんなんですけど、それを聞いて、なんとならないかねえ、と話していたら、隣の紀北町女性部が防災用の備蓄パンを扱ったという話を聞きまして。

そういう良い物があるんだったら、三重県全域で取り組んでいくことを会議の議題としました。

まず、津波の影響が想定されない地域では関心を持ってもらうことが難しかったですが、紀宝町など身近に山津波のような山災害の危険性を理解していただくことで、皆さんに備えることの大切さを理解いただけるよう、活動し始めました。

パンのパッケージにはこだわりました!
普通の業者さんのは『防災用備蓄保存パン』と文字があり、パンの絵が描かれているんですが、私たちは商工会女性部として、地域に根づいた活動をしたい、地域の人たちと一緒になって進んでいきたいという思いがありました。
そこで、各町の幼稚園や保育園で、楽しい絵を描いてもらい、それをパッケージに。
もしも災害に遭っても、パッケージを見ることで、ひとときでも心を和ませてほしい・・・という願いです。

行政を通して保育園などにお願いして、絵を描いてもらい、缶に貼るのも各地域の施設の方にお願いして貼ってもらいました。

だから今、私が持っている備蓄保存パンは大紀町専用。
他の地域に行くと、その地域で描かれた絵のパッケージになっています(笑)

先日の理事会の時に、各地域の理事さんに1缶ずつ持ってくるようお願いしたところ、どの地域のパッケージも素晴らしかったです!
幼稚園児の発想はすごいな、と感じました。
大きな魚の絵、牛の絵・・・いろんな発想で、大人の見る目と違うね、と。

みんなでお願いして作ったものが、その地域の防災対策に少しの手助けでも出来れば、と思い、とても嬉しかったですね。

儲けはないけれど、みんなの心に絆が生まれました。


6-29-5
■いつもどこかで笑い声が聞こえる錦であってほしい

ここ錦では、40代~50代の若いお母さんたちが『ISOMON6』というグループを結成して、地域を盛り上げようと歴史や文化などを研究して頑張ってくれています。

この7月14日にも、ここで海開きのイベントを開催してくれるんですよ。
でも、本当はそういうイベントや集まりを、年に1回ではなくて、もっと増やしていきたいです。
例えば、老人会で、婦人会で、小学生や中学生・・・一人ではできることが少ないですから、グループでディスカッションして、それを実行に移す!
机の上の会議だけじゃなく、「今度の日曜日、砂浜で貝拾いしようか」なんて、いくつもそういうのを作って。
とにかくいつも錦のどこかで笑い声が上がっているようにしたいです。
もちろん私たち商工会女性部もサポートしますよ!

やっぱり笑いは寿命も伸ばすし健康にも良いし、そうなると町自体にいい風が吹くんじゃないでしょうか。
仲間たちで山登りをしたりとか、そういうグループがいくつもできるといいな、と思っています。

私も、塩浜公園を登ったところに、ウバメガシの素晴らしいのがあるそうなので、是非行ってみたいと思っています。
錦の中には、探訪できるところがまだまだたくさんあるんです。

私は、半歩でも一歩でも前に進めるような生き方をしていきたいな、と思っています。