FM三重『ウィークエンドカフェ』2015年5月16日放送

今回は、鳥羽市安楽島町で朝市を開催している『あらしま新鮮組』の、出間(いづま)リカさん、鈴木みゆきさん、濱口ひさのさんの3人がお客様です。
『あらしま新鮮組』が誕生したのが平成23年9月。
最初は少なかったお客様も今では、たくさんの人が足を運んでくれます。
市内の人は、朝市の前日からパールロード沿いのところに掲げられているオレンジの幟を、遠くからのお客様は新鮮組のフェイスブックをチェックして
安楽島の町へとやってきます。

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左から出間さん、鈴木さん、濱口さん

■安楽島をいろんな人に知ってもらいたい

鈴木 朝市を始める際、最初にグループの名前を3人で考えたんですが、なかなか思いつかず、「新鮮なものを売るのだから『新鮮組』でいいんちゃう?」と。
それで『あらしま新鮮組』になりました。

出間 まず、安楽島を知って欲しかった。
そして安楽島にはおいしい物がたくさんあるので、それをみなさんに食べてもらいたかった。
みなさん、『安楽島』という名前から、離島と想像してしまうんですよ。
『島』と付いているだけで、菅島とか答志島などと同じように。
それを小さな頃から感じていたので、安楽島が陸続きだということを、みなさんに知ってもらいたいというのがありました。


濱口 『安楽島』はなかなか読むのも難しいそうなんですね。
「安全で楽しい島」なんですけど(笑)。


出間 安くて楽しい島(笑)。


鈴木 そやね、朝市になれば「安くて楽しい島」(笑)。


出間 それで、安楽島の良い物を知ってもらおうと、朝市を始めました。
安楽島での朝市の開催は毎月第2、第4日曜日の朝8時からです。
私は海女をしているんですが、他に漁師の奥さんたち、安楽島のばあちゃんを巻き込んで、楽しくやっています。
商品は海女さんや漁師さんが販売する海の幸のほかに、農家のおばあちゃんが作った野菜やお漬物、地元のスーパーからは炊き込みごはん・・・などなど。
出店者は、今は市外からも来てもらっていて、日によって7〜8軒です。
メンバーとしては10人くらいです。
一応開催は8時からとなっているのですが、早い人は7時過ぎの用意している最中に来てくれるんです。
それで品定めというか、「今日はこれがあるな」「今日はこれ狙いやな」と、決めているんですね。
だからもう、早いです。


鈴木 もうツバ付けてるんです。
抑えるんです(笑)。
でも、それを取り置きみたいにするとブーイングを食らうので。


出間 だからちょっと待ってね、って。
でも指で抑えて「私これ」みたいな。
これは混乱になるかな、と思った時は、5分〜10分前に、みんなが準備できた段階でスタートすることもあります。
でも開店してから30分持たないですね。
商品がなくなっちゃうんです。
最近では月に1回、松阪の駅前でも市を行っています。
わかめやたこ、鮮魚など自慢の品を軽トラに積んで行くんですよ。


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■海女漁は7月スタート!

出間 7月になると海女漁が始まりますので、そうするとアワビや赤ウニとかサザエ、トコブシ・・・けっこう出てきます。


濱口 私も潜っています!


出間 彼女も海女さんなんです。
安楽島は男海女の方が多いんですよ。男の人が20人ほど。
女の海女は82歳を筆頭に、7人かな。
私と濱口さんは若手、ですね(笑)

出間 私は父親について潜っていました。
小さな頃はウェットスーツなんか着ずに、服のまま潜っていましたよ。
でもそれじゃいかんし。
今はみんな、黒いウェットスーツを着て潜っていますね。
濱口さんが海女さんを始めたのはお嫁に来てからだよね。
でも、濱口さんの実家も漁師町だから、昔から潜っていたんでしょ?


濱口 子どもの頃は遊ぶ程度だったかな。


出間 嫁に来てからバリバリになったんだね。


濱口 バリバリじゃないです(汗)


出間 でも、上手ですよ。漁師町の育ちだから。


濱口 出身は石鏡。海女の町なんです。


鈴木 石鏡と安楽島は、漁場がだいぶ違いますね。
石鏡はちょっと外海なので、荒海です。
安楽島は内海なので、ちょっと穏やか。
ものも違う。アワビやサザエにしても殻のトゲなどは違うんです。


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■牡蠣のシーズンが長くなった!

鈴木 最近は、牡蠣のシーズンがだいぶ長くなってきましたね。
以前は3月に入ったら、牡蠣シーズンは終わりでしたが、今はこの時期でもまだ剥いている人もいますからね。
4月は今年はざらにみんな向いていましたね。
今年は身が良かったんです。
死に牡蠣が少なかったこともあるし、去年に比べたら今年は長いですね。
それでもさすがに私のところは、今季の牡蠣のシーズンを終え、今の季節は牡蠣イカダの補修をしています。


出間 一昔前と比べたら、潮が変わっているのかもしれませんが、何もかも時期がずれているんだと思います。
海藻にしても牡蠣にしても、今までだったら9月に始まって3月までだったのが、今は9月だとまだちょっと身が小振りだったり。
だんだん10月11月〜・・・とずれていっている感じがします。


鈴木 それでもスタートは同じ、9月の終わりくらいなんけどね。
今の牡蠣は本当に身が大きいです。
もう、ステーキかっていうくらいの大きさです。


出間 9・10月の走りの可愛らしい小粒な牡蠣が好きな人と、3・4・5月の大粒でクリーミーな牡蠣を好む人と、好みで分かれますね。
走りはやっぱり優しい味で風味も違いますね。
今の時期の牡蠣とは別物です。


鈴木 この辺りだと浦村牡蠣、桃取牡蠣もありますが、どれも微妙に味が違いますね。
宣伝するわけじゃないけど、自分とこの安楽島の牡蠣が一番美味しいと思いますよ(笑)。


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■朝市は地域交流の場にもなっている

出間 朝市は毎回大変ですね。
2〜3日前になると、濱口さんは何出すの?みゆきさんは何出すの?って、相談して。
自分たちだけでなく、今人気のベーグル屋さんや、伊勢のかまぼこ屋さん、安楽島のスーパー、さらにおばあちゃんたちも野菜を出してくれるもんで。

そうそう、今はベーグルが大人気です!
隣の浦村町の子が焼いてきてくれるんですけど、常時20〜25種類!
すごいでしょう。
みんなが並ぶんですよ!


鈴木 冷凍できるので、1回に多い人だと20個とか30個とか買っていくんです。。


出間 そのベーグルが、『牡蠣の佃煮のベーグル』とか『切り干し大根とチーズのベーグル』『ひじきとチーズのベーグル』『よもぎあんベーグル』とか。
本当にいろいろ!
その子がベーグルが好きすぎて、研究に研究を重ねてるんです。


濱口 ホントにおいしいですよ。


出間 最初ベーグルさんが来てくれた時は、正直どうなるかと思ったんですよ。
でも買ったばあちゃんたちが「固いけどうまいね!」と。
ベーグルを知らないから、ばあちゃんたちはベーグルを普通のパンとして買って帰ったんですよ。


濱口 色々と試食も置いているので、おばあちゃんたちもけっこう食べては買って行ってくれますね。


出間 朝市がなかったらベーグルを知ることもなかったのかもしれないですよね。
けっこう年配の人にも好評です。
しかもばあちゃんはルールに厳しく、並び方を知らない人には、ちゃんと教えてあげている(笑)。


鈴木 そしてばあちゃんら同士が寄ってくると、そこで話が始まるんです。
「元気にかよ〜」とか。


出間 地元に住んでいてしょっちゅう顔を合わせていても、3日に会わないと心配になるみたいですね。
だからこそ会うと「元気かよ〜」と。


鈴木 このまま地道に欲を言わず、続けていけたらいいかな、と思います。


出間 今日は何もないという日もあるんですけど、それはそれで天候とかもあるので仕方ないこと。
このまま地道にやれれば良いかな、と。


鈴木 集まって顔を合わせるだけでも良いし。
私なんて身体だけで行ったこともあるし。
ものがないときは手ぶらで行って、「手伝うわー」って。


出間 いないと、「今日はどうしたん?店出てないやん」って聞かれるんですよ。
だからものがなくても姿が見えれば、安心するというか。
背伸びをせず、できる範囲でやっていけたら良いかな。

最近では、海の邪魔者扱いをされていた海藻、アカモクの加工にも取り組んでいます。
浦村町の漁師さんたちにいろいろと教えてもらいながら、新しい商品を開発中です。
ボチボチと、できることをしながら、朝市に来てくれるお客様に喜んでもらえるようにしていきたいですね。