「ふれあい」Vol.31 2011年9月号

波静かな入り江が広がる南伊勢町古和浦。
漁業が中心のこの町で異業種の人々が集まり、まちを元気にするために様々なことに取り組んでいます。
地元有志の皆さんにふるさとへの思いを伺いました。


代表・浦和 壮太郎さん

前代表・長井 文夫さん


■地元の新鮮な魚介類を手作りテント市で販売

古和浦にはこれまで地元の物産をまとめて販売する産直市場のようなお店がありませんでした。

せっかくよそから釣り人などがなちを訪れてくれるのに、これでは不便だとの思いから、9年前、国道260号沿いで特産品の販売を週末のみ開始しました。

最初の2年は店舗がなかったため自分たちでテントを張って営業していたんですよ。

商品は古和浦の皆さんにお願いして出品してもらっています。
漁業が盛んな土地ですから、地元の漁師さんなどから仕入れる新鮮な魚介類がお店のウリです。

■店舗で定期市を開催、雇用や新商品を生み出す

現在は店舗を構え、毎週土・日曜日と祝日の朝9時から『土日祭市』を開催。
古和浦の新鮮な海産物を中心に、野菜や郷土寿司、干物、南伊勢町の特産品を扱っています。

販売以外にも、「雇用の創出」や「新商品の開発」といった目的を持って活動しています。
販売・接客については地元の女性2人にがんばってもらっています。

また、知り合いの女性たちにお願いし、新商品『そのまんま煮つけちゃいました』シリーズを商品化しました。
これは、ガシラやカワハギなど地元で獲れた活け締めの魚を丸ごと煮つけにし、真空パック詰めした冷凍食品です。


※『そのまんま煮つけちゃいました』シリーズは電子レンジで加熱するだけで食べられる人気商品です。

この店舗以前は、「古和浦の良さをたくさんの人に知ってもらいたい」との思いから、名古屋や伊勢など町外で行われる物産展やイベントで古和浦の特産品を売り込んでいました。

そうした中で、やはり定期的に物品を販売できる場所が欲しいとの思いが高まり、市を始めることにしたのです。

お蔭さまで、現在では町内外から多くのお客さまに来ていただけるようになりました。

■子どもたちの歓声が響くスポーツ大会も運営

私たちの会では店舗経営以外にも、『古和浦未来クラブ杯ミニバスケットボール大会』を毎年夏休みに開催しています。

この町に多くの子どもたちに訪れてもらうことが目的です。
古和浦の良さをじっくりと感じてもらえるよう、大会は2日間に渡って実施。
大会の最後には「魚のつかみ取り」も行っており、子どもたちには大人気です。
県内はもとより、中京・関西方面からも泊りがけでやってきます。

修学旅行のように大勢の子どもたちが来てくれるので、地元の活性化に役立っています。
「また遊びに来たい」「今度は魚釣りに来ます」
といった声を聞けば、苦労も吹き飛びますね。


■異業種メンバーが繋がり古和浦がさらに元気に

そもそも私たちは、電器店、鉄工所、旅館業など様々な業種の仲間が「古和浦を元気にしよう」と集まった有志です。

そのため、休日である週末や祝日に市を開催しているんですよ。
古和浦の皆さんにも私たちの活動にご理解をいただき、何かと協力してもらっています。

古和浦の魅力は、新鮮な魚介類、きれいな空気と風景、素朴で親切な人々だと思っています。

そういった魅力を活かしてまちを活性化していくために、これからも無理せず活動を続けていきたいですね。

■□■□ 関係者インタビュー ■□■□


橋本えい子さん(「土日祭市」販売員)

開業当初から店頭で接客をしています。
古和浦に住んでおり、このお店ができる際、声をかけてもらったのがきっかけで働くようになりました。
訪れるお客さんはみんな良い人ばかり。
常連さんも多く、おしゃべりっするのが楽しいので、大変なことはまったくありませんね。