FM三重『ウィークエンドカフェ』2016年11月26日放送

尾鷲市にある『カフェスケール』の濱野恭行さんが今回のお客様。
穏やかでほんわかした雰囲気の方です。
お店もきっとくつろげる落ち着いた空間なんだろうな。
オープンして15年になるカフェのお話。
元々は鉄工所だったところをリノベーションして営業しています。
おしゃれで、かっこよくて、くつろげるお店。
一緒に働いているお父さん、お母さん、そして濱野さんの個性がいっぱい詰まったカフェスケールです。

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フェの発案者はお母さん 鉄工所をリノベーション!

祖父の代から鉄骨業というか建築関係の仕事をしていて、両親が継いだのですが2000年くらいに辞めました。
そして鉄工所を改装してカフェをしようと計画し、オープンしたのが2002年です。
ちょうど2000年に古民家カフェなど、古い物件を改装してカフェにするというブームがあったんですね。
そういうのをやってみたいという母の発案があり、父はカフェをしつつも別のことを考えていたらしいですが、ありがたいことに飲食店のほうが忙しくなったので、一本化してみんなでカフェをしようと、今に至っている感じです。
なので、僕と父と母、3人でやっています。
鉄鋼業を閉めると聞いたのがまだ学生だったので、よく学費を出してくれたなと感謝しています。
大学を卒業する少し前に開店して、僕もカフェに興味があったため卒業後すぐに帰ってきて、22歳から関わっています。
最初の1〜2年は、母の家庭料理や趣味で作っているお菓子を出していて、両親ともに仕事を覚えるだけで大変だった時期でした。
僕だけが唯一時間と余裕があったので、独自に料理やお菓子の勉強をして、それをまたメニューに加えていきました。
また最初の頃は、気になるお店に足を運んでいろいろと勉強しました。
そして、世間の流行りより、自分たちのスタイルでやっていこうとの方針に。
最初は母の個性が強く出たお店でしたが、今は3人の個性がちゃんと出ていると思います。
現在の僕の担当はスイーツですね。

 

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ーブルやイスはお父さんの手作り

テーブルやイスも、揃えるのにお金がかかるということで、じゃあもう作ってしまおうと、父が。
建築関係の経験を活かしてイスやテーブルを作り、内装も大工さんや電気屋さんなど、知り合いの信頼できる方にいろいろリクエストしてお願いしました。
自分たちでできるところはしたので、いわゆる規格品ではなく、工夫して考えたものとなっています。
僕が学生でまだ京都にいたときに、両親が先行して作っていて、遅れて僕も参加しました。
その時はなんだかよくわからない内装でしたね(笑)。
僕は京都にいたこともあり、いろいろなカフェを知っていたので、両親にアドバイスして修正をしていったという形です。
最初から完成したものでなく、ちょっとずつ作りあげてきました。
カフェを開業したいという人から相談を受けることがありますが、カフェは完璧に作るものではなく、育てていくものだと話します。
その時その時で変えたり、進化したりというものなので、最初から完璧にする必要はないと思っています。
『カフェスケール』にも鉄工所テイストが残っています。
鉄骨の梁が見えているのですが、そこはあえて見せた方が良いと、工場の名残を持ったままカフェにしました。

 

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だわりは季節の果物のタルト

手づくりのケーキを食べられるお店が、尾鷲には意外と少ないんです。
ケーキ屋さんはありますし喫茶店もあるのですが、お店で作っていて、そこでちゃんと淹れたコーヒーとともに食べられるところがなかなかありませんでした。
その上で何を出すべきかを考えたときに、季節の果物を使ったタルトが、この辺であまり出していないので、そこに力を入れようと。
また、メニューも業者に頼んでしまうと年間通して同じものになってしまいます。
手づくりにすればその時に使うものを自分で考えて仕入ることができます。
なので、スイーツもランチも、日によってまったく違います。
前回食べたメニューが食べたかったのに、と言うお客さんもいらっしゃいますが、こちらとしては、旬の美味しいものを手に入れて、ケーキやランチとしてお出ししているので、そちらを楽しんでほしいですね。
接客もしたことのない家族で、もちろんマニュアルもないので、普段のお付き合いのような形のお店です。
マスターというより、おじちゃんという感じですね(笑)。

 

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日カフェを利用してくれるお客さまに愛されるように

10年を迎えたとき、周りの人たちからの反応は「おめでとう」でしたが、もうすぐ15年になると、「すごいね」と言われることのほうが多くなってきました。
現在、新規で飲食店をはじめて、5年続けるというのがかなり難しい状況らしいですね。
その中で15年させていただいているのは、とてもありがたいと思います。
この先は一日一日をがんばった延長で、20年続いたら良いなと思います。
将来的にこうしたいという具体的な展望ではなく、明日も今日と同じ感じで。
ほぼ毎日来て生活習慣の一つにしてくれている人もいるので、そういう人たちのために続けていけたらと思います。

今、『カフェスケール』では金曜日の夜「ウクレレクラブ」という名前で、ウクレレ好きな人が集まって演奏をしています。
みんな自由に、お店でのひとときを楽しんでもらいたいです。
いろんな趣味の人が集い、もっともっといろんなクラブ活動ができるといいですね。
『カフェスケール』のお客様の年齢層はとても広いので、みんながミックスして楽しいことができる空間づくりをしていきたいです。