三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート」2011年4月10日放送

移動販売を続けて35年!
雨の日も雪の日も嵐の日も・・・過疎高齢化で買い物に行けないおばあちゃんを支えてきました!

津市でもっとも過疎高齢化が進む地域のひとつである、美杉町八知。
ここで、長年にわたってお年寄りを支えてきたゲンキさんがいます!

谷戸宗春さん。
なんと35年間、ここ美杉町で移動販売を営んでいます。

谷戸さんは祖父の代から続く鮮魚店の三代目。
明治時代から移動販売を行っていたそうです。

週に3~4回、午前6時前に美杉を出発。
1時間ほどかけて、松阪市にある三重県地方卸売市場へ。
青果は、お年寄りの健康のため、地場産の野菜を仕入れることを心がけているそうです。

もちろん鮮魚も仕入れます。
谷戸さんが買う魚は多くありません。
だからこそ少しでも鮮度のいいものを少しでも安く・・・自分の目と足でじっくりと選びます。

先々代は鮮魚のみの販売でしたが、現在はお客さんの要望に応えるため、お菓子、そして日用雑貨まで。
美杉の集落で暮らす、おじいちゃんおばあちゃんの生活を支えているのです。

仕入れを終え、美杉町に戻るのは昼近く。
移動販売の仕事を一人で行っている谷戸さんは、休む間もなく、開店の用意を始めます。

仕入れてきた刺身用の魚は、切り分けて少しずつパックに。
お客さんのほとんどが高齢者で家族が少ないための気遣いです。

谷戸さんはいくつかの集落を日ごとに場所をかえ、数箇所ずつまわっています。
いつもの場所に、いつものお客さんが待っています。

待っている人がいるから。
谷戸さんはほぼ毎日、美杉のどこかの集落でお店を開けています。

商品を販売するだけでなく、地域のお年寄りとの交流が、谷戸さんのゲンキのもと。
逆に美杉の人たちにとっても、移動販売車と谷戸さんの存在が、生活の張り。
風邪などを引いて谷戸さんが休んだときは、心配して電話をかけてくるそうです。

過疎高齢化で遠ざかりつつある人と人・・・移動販売車と谷戸さんを通してつながり合う・・・。
それも移動販売車の大きな役割のひとつかもしれません。

落ち着いてお昼ごはんを食べる時間もなく、集落から集落へとまわる谷戸さん。

えらいわ・・・しんどいわ・・・損得勘定じゃやってられへんわ。

そう言いつつも、谷戸さんの顔にはいつも笑顔がうかんでいます。
谷戸さんはモノを売っているだけでなく、もっと大切な何かをみなさんに配達しているようです。

地域の食卓を支え、人と人のつながりを守る谷戸さん。
笑顔と人情をトラックにいっぱい載せて、今日も美杉の集落を走ります!