三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2015年6月21日放送

33年間続いてきた『斎王まつり』が今年も開催!
『斎宮』が今年、日本遺産に認定されたのを受け、大いに盛り上がります!

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毎年6月、2日間にわたって開催される『斎王まつり』.
平安時代の衣装を身にまとった120人もの人が伊勢街道を歩く『斎王群行』は、滋賀県『あいの土山・斎王群行』、京都府『斎宮行列』と並んで、三大斎王群行のひとつとされています。

この行事が始まったのは、昭和58年、ちょうど斎宮跡の発掘調査が始まった頃でした。
祭りを企画・運営するは、斎王まつり実行委員会のみなさんと地元の人を中心とした、ボランティアのみなさん。
地元のみんなで作り育てた祭りは、地元のみんなで守る。
32年前の始まり以来、ずっと、その姿勢は貫かれています。
しかも今年4月、斎王の都『斎宮』が日本遺産に認定され、さらに盛り上がりを見せています!

 

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この日の作業は『斎王まつり』のノボリの取り付け。
なんと、ノボリの数は300本!
だからこんなに人が集まっているんですね!

『斎王まつり』は『斎王まつり実行委員会』というボランティアグループが主体となり、ノボリの取り付けや斎王まつりの準備を行っています。
しかしノボリ立ては大変なので、外部の他のボランティア団体に応援をお願いし、来てもらってるそうです。
この日は特別に、中学生も応援に駆けつけてくれました。

 

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『斎王まつり実行委員会』代表の土井祐治さんに、この活動についてお聞きしました。

「みなさん仕事があるので、土日に作業してもらっています。
今日は62名が参加してくれている中には遠くは桑名や県外の人もいます。
やはり手づくりの祭りなので、自分たちが思いを込めて、祭りを作っていくという気持ちですね」

ノボリを立てた直後に雨が降ったり台風が来たり・・・そんなこともたびたびあったそうです。

 

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祭りのメイン会場となる『斎宮歴史博物館』の芝生広場では、なんとステージの設営!
これも、斎王まつり実行委員会と地元のボランティアのみなさんで毎年作っているんだそうです。
色々な職業の人が参加しているから、ここまで出来るんでしょうねえ。

「予算がないので壊れたところは自分たちで直さないと仕方ないんです」

と、『斎王まつり実行委員会』まつり実施班の伊串金市さん。

 

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こちらは女性メンバーが衣装を準備しているところ。
着付班の新田一子さんにお話をお聞きしました。

「こちらではほつれや破れを補修しています。
洗濯も私たちがすべて行っているんですよ。
子どもだけで50着、大人の分も入れるとそれ以上になります。
大変でとても疲れますが、達成感がありますね。
終わった後は良かったな、と思います」

新田さんはなんと、第1回目から実行委員として『斎王まつり』に参加していました!

こうして、地元のみなさん・地域外のボランティアのみなさんの手作りによって、32年間続けられてきた『斎王まつり』。
まさに地域で作り、地域で育ててきた祭りです。

 

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『斎王まつり』当日。
地元のみなさんで作ったステージで、地元の中学生による吹奏楽で、『第33回斎王まつり』がスタートしました。

華やかな舞台の裏では、斎王まつり実行委員会のみなさんがその進行と準備に追われていました。
出演するグループの演目に併せて、備品の出し入れ。
一息つくヒマもありません。

 

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いつの間にか、こんなにお客さんもいっぱい。
しかし、実行委員やボランティアスタッフには、それを楽しんでいる余裕はありません。

 

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まもなく始まる『禊の儀』を前に、色鮮やかな平安衣装を身にまとった出演者のみなさんが会場入り。
スタッフのみなさんの忙しさは、ピークを迎えます。
白い服を着ている女性たちは、小町のみなさん。
過去に斎王や従者に選ばれた女性たちによって結成されたグループで、毎年、祭りの進行などのサポートをしています。

 

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伊勢へ向かう前に斎王が身を清める『禊の儀』が執り行われます。
この日、この時のために、地域のたくさんの人が頑張ってきました。
出演者の動きの確認・サポート、そして、お客さんに最大限楽しんでいただけるよう連絡を取り合いながら、進行に気を配ります。

 

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続いて、斎王が伊勢へ向かう様子を再現した『斎王群行』の準備が始まりました。
祭りのクライマックス。
実行委員のみなさんの緊張も高まります。

 

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そしていよいよ『斎王群行』のスタート。
120人の従者に導かれた斎王が『葱華輦(そうかれん)』と呼ばれる御輿に乗って、斎宮歴史博物館までの、およそ2kmの道のりを練り歩きます。
まさに王朝ロマン漂う平安絵巻です。

 

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「祭りがだんだん大きくなるほど肩の荷も重くなりますが、みなさんがとても喜んでくれているので、うれしいです」

と、『斎王まつり実行委員会』事務局の山中いずみさん。

「1年掛けて作ってきた祭ですから、各地域から集まってきた実行委員が一丸となって一つのものを作るという、そこに面白さがあると思います。
日本遺産に認定された以上は、さすが認定されるだけはあるな、と思ってもらえるよう、祭りに関わっていきたいですね」

と、副代表の岩佐康則さん。

33回目の『斎王まつり』には、2日間で3万人以上の人が詰めかけました。

 

地域で生み出し、地域で育てる、斎王まつり。
そのきらびやかさは、地域の誇り。
そして、その雅びな時間・空間はもはや、明和町の大切な資産です。