三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート」2011年6月26日放送

今年6月に写真集『村の記憶』発刊!
三重の今とむかしを撮り、被写体の思いも写真に残します!

平成の大合併により、三重県から「村」という存在が消えました。
人の暮らしは変わらないが大切な何かを忘れてしまったのでは・・・そんな思いから、村の匂い、人の気配を写真で残している人がいます。

松原豊さん。
彼は、ローカル雑誌などを中心に活躍するカメラマンです。
その松原さんがライフワークとしている作品が『村の記憶』。

松原さんは、3歳から小学3年生まで岐阜県の村で暮らした経験があり、専門学校在学中に、その村をもう一度見に行ったのだそう。
その、日本の原風景ともいえる里山の景色が、松原さんの原点となったのです。
卒業後は名古屋でプロカメラマンをしていましたが、6年前、村の記憶を辿るように、現在の住まいである津市美里町にに移住。
そして、三重のローカル誌で連載を始めたのが『村の記憶』だったのです。

松原さんは『村の記憶』を、この大判カメラで撮り続けています。
その理由は、フィルムが大きいので、拡大しても緻密な描写ができるから。
その特性を活かし、展示も大きくするとともに緻密に細かく見せたいのだそう。
そして、一枚一枚をしっかり残していくためなのです。

そして昨年、撮りためた作品で写真展を開催。
予想以上の来場者数と反響の大きさに、念願の写真集発刊に踏み切りました。

6月に発刊された写真集『村の記憶』。

写真集発刊を記念して、三重県の各地で小さな巡業写真展や講演会を開催。
撮影に協力してもらった集落への挨拶なども行っています。

村の記憶・・・それは松原さんにとって、写真の中のものだけではありません。
人とのやり取り、かかわりが濃厚な記憶となって残っていくのです。

「ふるさとの存在・・・帰っていく場所があるということで、人はより豊かに生きていけるんじゃないか、と僕は確信して います。
 その確信をもう少し確かめるために、まだまだ長い旅は続きそうですね・・・」