三重テレビ『ゲンキみえ生き活きリポート』2015年8月23日放送

町屋海岸を清掃し続け18年!
なんと『緑綬褒章(りょくじゅ・ほうしょう)』を授与されました!
さらに清掃だけでなく、地域の祭りやさまざまなイベントを通して町おこしを行っています!

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こちらは津市の町屋海岸です。
ご覧ください!
このゴミの量!

 

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これらのゴミを集めたのは、「素足で走れる海岸」を目指して津市栗真の町屋海岸を、2ヶ月に1回清掃している『NPO法人・町屋百人衆』のみなさん。
70人のメンバーの他、三重大学の学生や地元の企業や市民グループも作業に加わり、多いときには、500人が清掃に集まります。

 

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そんな取り組みが認められ、『町屋百人衆』は今年の春、緑綬褒章を授与されました。
理事長の伊藤浩一さんに、受賞についてお聞きしました。

「長年続けてきたということが、重要な要素であったと思います。
町内の人たちが30年ほど前から海岸清掃をやっていまして、『百人衆』としても18年間続けてきたことが評価されたのだと思っています」

 

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「周りの人たちに支えられながら、長く続けてこられました。
本当にみなさんのおかげだと思いますし、感謝しています」

「この受賞で、海での活動だけがクローズアップされがちですが他にも、地域づくり・町づくりでたくさんの行事を行っています。
そちらにも注目をしてもらい、どんどん協力してほしいですね」

と、メンバーの西田さん(左)と水谷さん。

 

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この日は、年に5会開催されている町屋海岸清掃活動の3回目。
三重大学の学生たちも参加しています。

「大学からも環境ISOの学生が、多く参加しています。
『産官学民』という形で、海岸が清掃される取り組みが実施され、非常に好ましく思っています」

と、三重大学の加納哲副学長。

 

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「やり始めた時はすごいゴミで、とても人に見せられるような海岸ではなかった。
流木などもありますが、捨てられるゴミを見るに見られないほど、ひどい状態でした。
清掃活動は多い時で1日500人集まることもありました。
通常でも声を掛けると200〜300人集まってくれます」

「『町屋百人衆』の女性チームは設立当時からやっているので、もう20年ほどになります」

「みなさんに昔の砂浜を体験してもらい、少しでも町屋海岸の良さを知って欲しいです」

と、『町屋百人衆』メンバーのみなさん。

 

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向こうでは草刈り作業を行っている姿が。
海岸清掃の参加者が増え始めてからは、『町屋百人衆』のメンバーは草刈り作業・松枯れ対策など、海岸の保全・維持活動にも取り組み始めたのです。

「毎回ではありませんが、最初からずっと参加しています。
終わった後、キレイになているとやりがいを感じますね」

「キレイな海岸にはゴミを捨てられないと思うので、これからも続けていきたいと思います。
始めた頃は廃車や注射針が捨てられていたり、ひどい状況でした。
この20年間で多くの人に協力してもらい、かなりキレイに変わりました」

と、草刈り担当メンバーのみなさん。

 

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参加者の中には、三重大学の学生たちも。

「自分が所属しているのが、『三重大学環境ISO学生委員会』という組織。
委員会自体の目的が、学内であったり学外の人たちの環境に対する意識の向上というものなので、そのために色々な活動を行っています」

 

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「三重大学は国立大学では意外なことに、海が一番近い大学なんです。
たったの400m。
ゴミがたくさん落ちているのを見て清掃活動を行おうと思った時、『町屋百人衆』が2カ月に1回行っているという話を聞いて、一緒にやりましょうと始めて、もう10年。
学生を育てている大学としては、一番良い社会貢献ではないでしょうか」

と、三重大学人文学部の朴恵淑教授。
さらに、地域に密着した企業や団体の参加も年々増えてきているそうです。

 

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ゴミを集め始めて1時間で、この量です!
集めたゴミは、行政の協力を得て回収してもらっています。
しかし、ゴミを分別して、指定の場所まで運ぶのが、これまた一苦労。
町屋百人衆のみなさんは、この作業を18年に渡って続けてきたのです。

 

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海岸の清掃活動ばかりが目立って取り上げられる町屋百人衆ですが、取り組む活動は、それだけではありません。

千王神社の夏祭りに披露される巨大龍踊りも、町屋百人衆のみなさんによるものです。
自分たちで製作した巨大な龍を、『町屋百人衆』で担ぎ、町内を練り歩きます。

また、年末には『街や百人衆』企画開催の年越し行事として、神社でおもちつきとそばの振る舞いを。
毎年たくさんの人でにぎわいます。

「百人衆の一番はじめの発端は、『町内の祭を元気にしよう』ということと、『地域の町おこし』というところからです。
海岸清掃はあくまでもその活動の中の1つなので、基本的には『町屋百人衆』として、すべての活動を活発に進めたいと思っています」

と、理事長の伊藤さん。

 

地元の祭りや行事を盛り上げたい。
ふるさと町屋の海を、もっと美しくしたい。
みんなで「ちょっと無理をして」地域おこし。
そのちょっとの力がたくさん集まり、地域を前進させる大きなエネルギーになっています。