「ふれあい」Vol.32 2011年11月号

町の活性化に向けはじまった産直市!
新鮮でおいしいのはもちろん、高齢者の皆さんの生きがいづくりにも一役買っています!


世話人 荘司 剛直(しょうじまさなお)さん(左)
世話人 世古 好弘(せこよしひろ)さん(右)

■新鮮さとおいしさにこだわった産直市

私たちの町では高齢化が進んでおり、農作物の生産者も次第に自分たちが食べる分だけの野菜を作るようになっていました。
そんな皆さんに生きがいと、わずかですが種代くらいの収入が得られる販売所を提供できないかと考え、私たちを含め5人の世話人がボランティアで産直市をはじめました。

はじめはお客さまが本当に来てくれるのか心配しながら、店舗の設置場所、取り扱い品目を含め、試行錯誤ではじめました。その際、品物を出品いただける生産者には「新鮮なものでおいしいものを」というルールを設けました。

品物の値段についても産直市の趣旨である「地域の活性化」であることを理解いただき、良心的な価格で提供いただいています。もちろん陳列も生産者が行います。今では約40名の皆さんに賛同いただき、約60品目もの品揃えになりました。

特に人気のみかんは、地元の若い生産者ががんばって出品しています。味・品質が良い自慢の一品です。ジャムなどの加工品の商品化や新しい品種の開発に取り組んでいる姿勢は頼もしく映ります。



■南伊勢町の観光案内所としても一役買いたい

お客さまについては地元の皆さんはもちろん中京・阪神など県外からもお越しいただいています。
また、「おいしい魚が食べられる食堂はありますか」といった、観光についてのお問い合わせもいただくので、町の魅力をPRするのにも一役買っています。
産直市に併設して、軽食などがとれる食堂も設置しています。
今後は、私たちの理念に賛同いただける若い生産者や、私たちに替わって運営を引き継いでくれる人も見つけ、世代交代の準備も進めていきたいですね。



■生産者インタビュー

田所 一成(たどころかずなり)さん

特産品のみかんを出品させていただいてます。直接、お客さまの声が聞こえるのがうれしいですね。

おいしいと皆さんが食べてくれるので、それだけ良いものを作らないといけない。お互い良いものを作っていこうという切磋琢磨する意識が出てきています。
これまで先輩の皆さんが担ってきた役割を僕たち若い世代が引き継ぎ、この地域を引っ張っていく必要も感じています。



小山 昭(こやまあきら)さん

以前、「ばあちゃんの店」として別のところで販売していました。町の活性化に役立つのではないかと世古さんらに声掛けいただき、蔬菜(そさい)類を出品するようになりました。
お客さまの喜ばれる顔を見ながら販売できるのが楽しいですね。



荘司 栄勇(しょうじひでお)さん

「かえで作業所」で、お菓子や陶器などを手づくりで生産しています。
ここができてから商品を売る場所ができました。

特産品であるみかんを使ったクッキーは人気ですね。



■お客さまインタビュー

小林 隆之(こばやしたかゆき)さん

「カーザビアンカ」というイタリア料理の店をやっています。ここで売っている珍しい「福耳とうがらし」を買いにきました。

スーパーより新鮮な野菜がお値打ちに手に入るのでありがたいですね。先日も料理教室をやりましたがその時も、こちらの野菜を使わせてもらいました。



奥村 眞弓(おくむらまゆみ)さん

新鮮でとれたてのものが買えるのが一番ですね。デイサービスで給食の仕事をしていますが、一週間分の野菜をこちらで買います。
また、生産者としても干物などの品物を置かせてもらっています。ここは売りにも買いにも来られる場所ですね。