三重テレビ「ゲンキ!みえ!生き活きリポート」2012年1月22日放送

地域住民の防災意識を高めるとともに、『防災ハンドブック』を作成!
地元有志の防災への取り組みが、地域一体となった防災対策を推し進めます!

南伊勢町の田曽浦区。
かつては遠洋漁業が盛んで、日本一のカツオ村と呼ばれたほどの地区です。
海に面し、海と共に生活してきた地域だけに、これまでも津波などの災害に備えてきました。
そして、昨年の東日本大震災を受け、さらに地域一体となった防災対策に力を入れています。



                                 写真下/隊長の浜口保泰さん

そんな田曽浦の防災活動の中心を担っているのが、『田曽浦区自主防災隊』です。

浜口「『田曽浦区自主防災隊』を作った理由は、平日の昼間、この田曽浦区に消防団の数が減っていったこと。
もし平日の昼間に大きな災害が起こったら一体どうするのか…。
地元で働く人を中心に、消防団とは別に、地元の防災活動の中心となって活動をしていく必要があると感じ、この隊を結成することなりました」

『田曽浦区自主防災隊』は、平成17年、地元の消防団OBや有志が集まり、結成。
地域住民に防災意識を高めてもらうため、タウンウォッチングの実施や防災講演会の企画開催など、様々な活動をしています。
その結果、平成22年には三重県から『みえの防災奨励賞』を受賞。
地域と連携した独自の取り組みは、高い評価を受けています。


そんな『田曽浦区自主防災隊』の思いの結晶とも言えるのが、この『防災ハンドブック』。
避難経路や危険箇所など、自主防災隊のメンバーが実際に町を歩いて調査したもの。
田曽浦の全世帯に配布されています。


さらに現在、東日本大震災を受けて、『防災ハンドブック』の見直し作業を行なっています。
これは、津波などのあらゆる想定を厳しく見直した、新たなハンドブックを作成するためです。
田曽浦区すべての避難場所を再確認したところ、そのほとんどが高さ10m以下だったため、新たな避難場所を設定する必要があるのです。
新しい避難場所は20m近く、もしくはそれ以上高さが望まれます。
しかし避難場所が高くなればなるほど、坂道も急になり、危険な場所も多くなるため、ひとつひとつチェックしていきます。


『田曽浦区自主防災隊』は『防災ハンドブック』の作成以外にも、月に一度の防潮扉の点検や、発電機の点検などの作業を行なっています。


他にも、地元の老人クラブと連携した『ゴムバンド体操』教室を開催!
これは、ゴムバンドを利用し、民謡などの曲に合わせて足腰を中心に動かす体操で、足腰の強化が目的です。
体操の動きは簡単で、ゴムがあればいつでもどこでも出来るため、自宅でテレビを見ながらでもできると、大好評。
指導にあたっているのは、三重大学の磯和勅子准教授です。


                       写真上/三重大学 磯和勅子准教授
                       写真下/田曽浦老人クラブ会長 木田豊二さん

磯和「災害時にできる限り自分の足で逃げられるようするためと、日々の健康づくりのためで、介護予防と防災の両方の狙いがあります」

木田「私も自主防災隊の一員であり、老人クラブの会長なので、この連携は大変良いことだと思っています」

自主防災隊だけでなく、老人会、自治会、そして、地域の皆さん全員で連携しながら取り組んでいるのが、田曽浦の防災対策なのです。


まず、地域のみなさんの防災意識を変えること。
要援護者の避難、安全を考えていくこと。
そして、この地域の防災活動を次の世代へとつないでいくこと。

『田曽浦区自主防災隊』の、しっかりと地域に根ざした取り組みは、これからも続きます。