ミエてくる2018年1月24日

夫婦岩といえば、伊勢市二見の有名観光スポットである。
が、伊勢志摩サミットが開催された志摩市にも夫婦岩が存在するのだという!
それはどこにあるのか!? 二見とクリソツなのか!?
その真偽を確かめるため、サルシカ隊長オクダは志摩市へ向かった!!

「志摩にも夫婦岩があるんだってさ。
え、隊長知らないの?
あんなに三重をあちこち取材してるのに知らないこともあるんだぁ。
ふーん〜、そうなんだ〜」

酒の席で、とある知人にそんな話をされた。
しかもまあ非常にムカつく言い方で(笑)。

わたくしもムキになって、「それはどこにあるのだ? すぐに取材に行くから教えろ」と聞くと、本人もヒトに聞いた話だから詳しくは知らないという。
おいおい、そんな無責任に話をふるのはやめてくれ(笑)。

 

                            (写真/松原豊)

さて。
こちらは伊勢市二見の夫婦岩である。

三重を代表する観光スポットであるから知っている人も多いであろうが、念のためおさらいしておこう。

夫婦岩は日の出を遙拝する鳥居とみなされており、大きな男岩は高さ9m、女岩は高さ4m。
夫婦を結ぶ大しめなわは1本の長さ35mで、夫婦の間は9mあるそうだ。
5月から7月は、夫婦岩の間から日の出を見ることが出来きるので、多くのカメラマンや観光客で賑わう。

そんな夫婦岩が志摩市にもある??
本当なのか??

 

で、2018年1月某日。
わたくしは、サルシカでつくった軽キャンピングカー「サルシカ号」を駆って志摩へと向かったのである。
折しもその日は快晴。
連日の寒さを忘れるような暖かい日であった。

 

まずやってきたのは、有名な志摩市磯部町の的矢(まとや)。
あの高級な的矢牡蠣で有名なところである。

何かアテがあったわけではない。
夫婦岩だから、たぶん海にあるに違いない。
志摩で海と連想してまっさきに浮かんだのが的矢だったのである。

車であちこちウロウロしてみるも、夫婦岩なんて看板もないし、海にそれらしきものも発見できない。
通りすがりのヒトに聞いてみたが、思った通り、

「あんた夫婦岩っていったら伊勢だよ。ここは志摩だよ」

と、伊勢への道を案内されてしまった。
おいおい、こりゃあヤバイんじゃないの!

 

スペイン村をすぎて、伊雑ノ浦を望むところで車を停め、スマートフォンで情報収集。

「え? 何も調べずに志摩まで来ちゃったのかって?」

だってさ、そっちの方が企画的に面白いと思ったんだもの・・・。
ちょいと人に聞いたらすぐさまわかると思ったんだもの・・・。

「夫婦岩 志摩」で検索すると、出てくるのは二見の夫婦岩の情報ばかり。
そうだよなあ、伊勢も志摩もひっくるめて「伊勢志摩」だもんなあ。
まさかここまで来て企画倒れか・・・。
暗雲が立ち込める。

 

車で志摩市内を走り回り2時間。
もとの磯辺に戻ってきて、志摩の友人に電話。

が、志摩の夫婦岩なんて聞いたこともない、との返事。
あああ・・・こりゃあマジでヤバイ。

 

もうこれ以上ウロウロしても無理とあきらめ、同行の妻M子が行きたがっていたパン屋に向かう。

「ぱん屋ふじ田」。
地元の志摩観光ホテルで46年間パンを作り続けた藤田幸男さんが、昨年9月に志摩市阿児町の立神にオープンさせたお店。

伊勢志摩サミットで各国首脳にも提供されたという藤田さんのパンは、遠方からもお客さんがやってくるほどの大人気。

 

また、こちらのお店では、サルシカで「1コマな毎日」を連載してくれているイラストレーター「シャンティー」さんのスイーツも販売している。

志摩にきたら必ず立ち寄らねばならぬ場所であったのだ。

 

わたくしはアンパンを買って店の外でかぶりつく!
ああうまい、幸せ・・・。

じゃなかった!!
志摩の夫婦岩が発見できずに落ち込んでいるのであった!(笑)

諦めの悪いわたくし。
たぶんこの「ふじ田」でパンを買いに来たと思われる近所のヒトにも聞き込み調査。

すると・・・・!!!

「ああ、立石さんの夫婦石やろ。そこをちょっと行ったところにあるやないか」

などと事もなげにいうのである!

マジですか!!?
パンを買ってご満悦のM子を車に放り込み、ダッシュで現地へ向かう。

 

夫婦岩ではなく、夫婦石は、ぱん屋ふじ田と同じ地域にある立石神社にあるという。
カーナビで設定すると、ほんの数分で到着する距離であった。

結構細い道を走る。
そりゃあわからんはずだ。

 

池に出た、と思ったらそれは海だった。
入り組んだ先の内海なのでまったく波がない。
どう見ても池にしか見えない。

 

「これが立石神社? ずいぶん小さいなあ」

誰もいないし、駐車場もない。
ちょっと心配になる。

 

「鳥居があるからここが入口かなあ・・・」

 

そして中へ進むと・・・・
おおおおお!!
夫婦岩ならぬ夫婦石を発見!!

 

じゃじゃーん、こちらが立石神社の夫婦石。

なんとこの立石神社は、この夫婦石をお祀りする神社。
しかもこの地域の立神という名前は、この石から起きたそうな。

こちらも年の暮れにはしめ縄をかけ替えがおこなわれるという。

大きい方が高さ2m、小さいほうが60cmで、小さい方は満潮時には姿を消してしまうそうだ。
つまり潮の満ち引きによって単身になってしまう夫婦石なのであるなあ(笑)。

 

いやー、ようやく見つけたのだ。
これが志摩の夫婦岩!
立石夫婦石!

しかしなあ・・・。
なんか達成感がないなあ・・・(笑)。
なんだろう、この一抹の寂しさは(笑)。

以上、「志摩の夫婦岩」を探せ、でした!

 

立石神社
志摩市阿児町立神(ここまでしか住所わかりません)